千葉県教委、男性教諭を免職 生徒への児童生徒性暴力等で

この記事のポイント

1.千葉県教育委員会は6月10日、公立中学校の男性教諭1人を免職処分とした。
2.処分理由は、2026年3月頃から4月頃までの間、自校に在籍していた女子生徒に児童生徒性暴力等を行ったこと。
3.県教委はSNS等での児童生徒とのやり取り禁止の厳格化を含め、服務規律の徹底を各所属に求めた。

懲戒処分のイメージ図

千葉県教育委員会は2026年6月10日、同日開いた教育委員会会議で、県内の公立中学校に所属する20歳代の男性教諭1人を免職とする懲戒処分を決定した。県教委の発表によると、教諭は2026年3月頃から4月頃までの間、自校に在籍していた女子生徒に対し、児童生徒性暴力等を行った。4月、女子生徒の保護者が教頭に相談したことで発覚した。

処分の根拠条項は地方公務員法第29条第1項。同項は、法令違反、職務上の義務違反、全体の奉仕者としてふさわしくない非行があった場合などに、免職、停職、減給又は戒告の懲戒処分を行うことができると定める。今回、県教委は免職を選択しており、学校における児童生徒性暴力等を、教員としての身分継続を認めない重大な服務違反として扱った形だ。

児童生徒性暴力等をめぐっては、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が、児童生徒等の尊厳を保持し、権利利益を擁護することを目的に掲げている。同法は2021年6月4日に公布され、2022年4月1日に施行された。学校の内外を問わず、教育職員等による児童生徒性暴力等を根絶するという基本理念の下、早期発見、通報、調査、被害を受けた児童生徒等の保護・支援などを制度化している。

人権上の論点は、被害の有無を事後的に処分するだけでは足りない点にある。児童生徒は、学校内で教員との間に強い権力差を置かれやすい。成績評価、生活指導、部活動、進路相談などを通じて、教員の言動が子どもの安全感や自己決定に及ぼす影響は小さくない。教職員による性暴力は、単なる私的な不祥事ではなく、学校における学習権、人格の尊重、安心して相談できる環境を損なう問題として扱う必要がある。

県教委は今後の対応として、「職員の綱紀の粛正について」の通知を発出し、各所属で事故の概要を速やかに全職員へ説明すること、不祥事根絶に向けた指導を徹底することを求める。併せて、同日付けの「懲戒処分の指針」の一部改正通知に基づき、児童生徒とのSNS等のやり取り禁止の厳格化について教職員に指導するよう校長に求めた。

再発防止策では、SNSの使用制限だけでなく、相談を受けた教頭、所属長、教育委員会がどの時点で情報を共有し、被害を訴えた生徒をどのように保護するかが問われる。千葉県教育委員会は、県立学校長会議や教育事務所管理課長会議等を通じて、不祥事根絶について指導するとしており、今回の免職処分は、各学校で児童生徒との私的連絡、相談対応、管理職への報告経路を点検する契機となる。

出典

千葉県教育委員会「教職員の懲戒処分について(令和8年6月10日)」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/press/2026/shobun20260610.html
参考 文部科学省「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等について」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/mext_00001.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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