東京都、アブリル合同会社の介護・障害福祉研修4課程を指定取消

この記事のポイント

1.東京都は5月27日、アブリル合同会社が設置する介護・障害福祉分野の研修4課程について、指定取消処分を行った。
2.介護職員初任者研修では、研修講師に関する虚偽記載や、指定基準に合致しない研修実施が取消事由とされた。
3.修了者の修了証は引き続き有効とされ、東京都は事業者に対し、補講希望者への対応を求めている。

東京都福祉局は2026年5月27日、世田谷区三軒茶屋2丁目30番3号ルミエール三軒茶屋102に所在するアブリル合同会社について、介護員養成研修事業者と障害福祉分野の従業者養成研修事業者に対する指定取消を行った。対象は、介護職員初任者研修課程の通学・通信、重度訪問介護従業者養成研修統合課程、同行援護従業者養成研修一般課程の計4課程。代表者は代表社員の窪田拓耶氏。

介護職員初任者研修課程では、通学課程と通信課程の双方で、令和7年度の事業指定申請において研修講師に関する虚偽の内容を記載していたとされた。通学課程では令和7年度の研修の一部、通信課程では令和5年度から令和7年度までの研修の一部が、介護保険法施行規則第22条の27に定める介護員養成研修の指定基準に合致していなかった。東京都は、介護保険法施行令第3条第3項に定める取消事由に当たるとして、指定を取り消した。

障害福祉分野では、重度訪問介護従業者養成研修統合課程について、令和6年度と令和7年度の研修の一部が、東京都障害者居宅介護従業者基礎研修等事業者指定要領に定める指定要件に合致していなかった。同行援護従業者養成研修一般課程では、指定申請時に研修講師に関する虚偽記載があり、令和8年度に実施予定だった研修の一部も指定要件を満たしていなかったとされた。いずれも指定要領15に基づく指定取消となった。

一方で、東京都は、現地調査等の結果、4課程の修了者には必要な知識及び技術が付与されていると判断できるとして、修了証は引き続き有効とした。今回の処分により補講を希望する修了者については、事業者に必要な対応を行うよう求めている。処分の公表は、研修を受講した人の資格効力に直結するため、取消事由と修了証の扱いを分けて明示した点が実務上の要点となる。

人権上の論点は、介護や障害福祉サービスを支える人材養成の質が、利用者の安全、尊厳、生活の継続に直結することにある。重度訪問介護や同行援護は、障害のある人の外出、意思疎通、日常生活の自立を支える制度であり、従業者養成研修の基準逸脱は、単なる手続違反にとどまらない。東京都福祉局は、アブリル合同会社に対する4課程の指定取消と、修了者の修了証の有効性を同時に示し、利用者保護と受講者保護の双方を整理した。

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
日本
シェアする
タイトルとURLをコピーしました