福井県、在宅ケアハラスメント相談窓口を開設 訪問介護等の支援者を支える体制へ

この記事のポイント

1.福井県は5月21日、「福井県在宅ケアハラスメント相談・支援窓口」を設置した。
2.対象は、在宅サービスに従事する支援者で、利用者・家族からのカスハラや職場内のハラスメントなどを相談できる。
3.県は、一般社団法人みなと地域包括ケアシステム研究所に委託し、在宅ケアの担い手が安全に業務を続けられる環境づくりを進める。

福井県在宅ケアハラスメント相談・支援窓口

福井県長寿福祉課は5月21日、「福井県在宅ケアハラスメント相談・支援窓口」を設置した。対象は、在宅サービスに従事する支援者。県は、ハラスメントの不安やトラブルを一人で抱え込まないよう呼びかけ、支援者が安心して安全に業務へ専念できる窓口として案内している。事業は、一般社団法人みなと地域包括ケアシステム研究所に委託して運営する。

窓口の正式な事業名は「福井県在宅サービス支援者の安全対策にかかる支援(ハラスメント相談窓口)事業」。専用サイトでは、利用者からのカスタマーハラスメント、上司の言動、職場内のパワーハラスメント、同僚への相談対応など、在宅ケアの現場で起きる幅広い悩みを相談対象として示している。匿名相談も可能とし、秘密を守ると説明している。

チラシでは、「訪問のたびに大声で怒鳴られる」「カスハラとパワハラのいたばさみ」「上司に相談したら『あの人はそういう人だからしょうがない』と言われた」といった例が挙げられた。単に利用者側からの暴言や過度な要求だけでなく、相談した職員が職場内で十分に受け止められない状況も想定している。令和8年5月に始まる相談窓口として、ホームページの「ご相談窓口」から連絡する仕組みを取る。

在宅ケアのハラスメントは、施設内のトラブルとは異なる難しさがある。訪問介護、訪問看護、居宅介護支援などでは、支援者が利用者宅に入ってサービスを提供する。利用者本人や家族との距離が近く、閉じた空間で暴言、威圧、過度な要求、性的な言動などが起きた場合、支援者がその場で助けを求めにくい。福井県の窓口は、そうした現場の孤立を前提に、外部へ相談できる経路を用意するものといえる。

人権上の論点は、介護を受ける人の生活を支えることと、介護を担う人の安全・尊厳を守ることを対立させない点にある。利用者や家族に困難があるとしても、支援者が暴言や威圧を我慢し続けることは、健康被害や離職につながる。担い手が安心して働けなければ、結果として在宅介護の継続も不安定になる。支援者を守る仕組みは、介護サービスを利用する高齢者や家族の生活を守る基盤でもある。

専用サイトでは、相談支援の流れ、支援事業内容、ハラスメント対策協議会、運営事業者の情報も掲載している。医療・福祉の専門機関や行政が連携し、在宅ケアにおけるハラスメント問題の解決策を話し合う仕組みも示した。福井県長寿福祉課は、県の委託事業として同窓口を運営し、在宅サービスの支援者が「もう辞めたい」と抱え込む前に相談できる体制を整える。

出典

福井県「福井県在宅ケアハラスメント相談・支援窓口」
URL: https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kourei/harassment-shien.html

福井県在宅ケアハラスメント相談・支援「福井県在宅サービス支援者の安全対策にかかる支援(ハラスメント相談窓口)事業」
URL: https://fukui.harassment-shien.jp/

福井県「在宅ケアハラスメント相談窓口チラシ」
URL: https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kourei/harassment-shien_d/fil/tirashi.pdf

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
福祉日本
シェアする
タイトルとURLをコピーしました