1.東京都人権プラザが、若者と関わる社会人らを対象に、2日間の人権教育プログラムを開く。
2.人権の基礎に加え、若者が直面する困難の背後にある社会構造を参加型学習で考える。
3.匿名参加や自己開示を強制しないルールを設け、参加者自身の安全と尊厳にも配慮する。

東京都と公益財団法人東京都人権啓発センターは2026年6月17日、若者と関わる立場の大人を対象とした「人権ディフェンダーになるための2日間集中プログラム」を東京都人権プラザで開催すると公表した。第1回は概ね25歳から39歳までを対象に8月22、23日、第2回は概ね39歳以上を対象に11月21、22日に実施する。各回の定員は20人程度で、参加費は無料。一定の要件を満たした参加者には修了証を発行する。
対象には、企業の若手・中堅社員やメンター、大学の学生支援部門職員、児童養護施設・社会福祉施設の職員、スポーツクラブのコーチ、NPO職員、ボランティアなどを挙げた。学校教員や福祉職だけに限定せず、職場、施設、地域活動でユース世代と接する人を幅広く想定している。講師は、人権教育の専門家や学校教員で構成する大阪多様性教育ネットワーク(ODEN)が務め、参加型の学習を通じて、差別を見抜き、対応するための知識、技能、態度を扱う。
プログラムは、参加者が自分自身の経験や考え方を振り返り、若者が直面する困難を個人の性格や努力だけで説明せず、その背後にある社会構造と結び付けて考える構成とした。若者の周囲にいる大人は、相談を受け、活動への参加機会を提供する立場にあると同時に、言動や組織慣行によって若者の選択を狭める側にもなり得る。差別や排除を知識として学ぶだけでなく、職場や所属組織で対応を変えるところまでを研修目標に含めた点が特徴となる。
東京都人権プラザが定めたグラウンドルールでは、参加者は本名を名乗る必要がなく、プログラム内で知った個人情報を外部へ漏らさない。自身の経験を無理に話す必要もなく、途中の退出や休憩を認める。ジェンダー、人種、年齢などに基づく差別的な発言や行動を禁止し、録画、録音、撮影も行わない。人権教育では、差別や被害の経験に触れる過程が参加者の心理的負担につながる場合があるため、学ぶ側の安全と自己決定を確保する運営は、研修内容と切り離せない要素となる。
国連が用いる「人権擁護者(ヒューマン・ライツ・ディフェンダー)」は、個人または他者と共同して、人権と基本的自由の実現や保護に取り組む人を広く指す。東京都は今回、この言葉を「人権の守り方を知り、自ら行動していける人」と説明し、専門活動家だけでなく、日常的に若者と接する大人へ対象を広げた。申込期限は第1回が8月12日正午、第2回が11月11日正午。手話通訳、点字通訳などの情報保障や託児は、東京都人権プラザが個別の問い合わせを受け付ける。
東京都「『人権ディフェンダーになるための2日間集中プログラム<ユース世代と関わる大人向け>』の開催について」
URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/06/2026061702
東京都人権プラザ「人権ディフェンダーになるための2日間集中プログラム<ユース世代と関わる大人向け>」
URL:https://www.tokyo-hrp.jp/inclusive-2026-01.html
国連人権高等弁務官事務所「Declaration on Human Rights Defenders」
URL:https://www.ohchr.org/en/special-procedures/sr-human-rights-defenders/declaration-human-rights-defenders

日本女性学習財団.png)