1.静岡県が「こどもの居場所マップ」と2026年3月末時点の371件の一覧を公開した。
2.2025年9月の実態調査では351カ所で活動実態を確認し、221カ所が物価高騰の影響を受けていた。
3.情報格差や交通費、受入人数の限界も報告されており、一覧の公開だけではつながれない子どもへの対応が課題となる。

静岡県は6月24日、「こどもの居場所づくりについて」のページを更新し、県内の居場所を検索できる「静岡県こどもの居場所マップ」と、2026年3月31日時点の一覧を掲載した。公開された一覧は371件で、名称、活動場所、食事・学習・遊びなどの活動内容、開催頻度、参加条件、利用料を確認できる。新規登録や内容変更、廃止の連絡先は静岡県社会福祉協議会に一本化された。
県は、こどもの居場所を、こどもが一人でも安心して過ごし、無料または低額で利用できる地域の場と説明する。2025年9月1日時点の実態調査では、399カ所を対象に確認し、351カ所で活動実態があった。うち343カ所が活動中、8カ所が休止中だった。活動内容は複数回答で、食事の提供が261カ所、遊び場・居場所の提供が237カ所、学習支援が121カ所。活動中の343カ所のうち198カ所は月1回程度の開催だった。なお、一覧の371件とは調査時点と掲載基準が異なるため、両者を用いて増減を算出することはできない。
運営主体は任意団体などが171カ所と最も多く、NPO法人72カ所、個人50カ所、その他の法人37カ所、社会福祉法人21カ所だった。物価高騰の影響があると答えたのは221カ所、63.0%。活動日数や利用料金、メニュー、利用者数などを変更した居場所も32カ所あった。運営上の課題は、資金159カ所、スタッフ126カ所、物資101カ所の順に多い。地域の居場所が増える一方、その継続は任意団体や個人を含む運営者の資金、人材、食材確保に左右されている。
こどもの居場所は、困窮家庭への食事支援だけを指すものではない。児童の権利に関する条約第31条は、休息、余暇、遊び、文化的・芸術的生活への参加を子どもの権利として定める。国の「こどもの居場所づくりに関する指針」も、こども・若者の声を聴き、その視点に立って、安全・安心な居場所を増やし、必要な人につなぐ考え方を示している。したがって、掲載件数だけでなく、利用しやすい情報提供、費用負担、差別のない参加、安全管理、こどもの意見を反映する仕組みまで確認する必要がある。
実態調査の自由記述には、情報を得やすい家庭だけが参加しやすくなることへの懸念や、希望者が多く全員を受け入れられない状況、来所するこどもの交通費、行政や民生委員との連携といった課題も記された。マップは居場所を探す入口になるが、情報にたどり着けないこどもや、移動手段を持たないこどもまで自動的につなぐものではない。静岡県社会福祉協議会は、平日9時から17時まで(12時から13時を除く)、専任コーディネーターによる相談を受け付けており、運営者や支援を希望する企業・個人からの相談と、一覧の追加・変更・廃止を同じ窓口で扱う。
静岡県「こどもの居場所づくりについて」
URL:https://www.pref.shizuoka.jp/kodomokyoiku/kodomokosodate/kosodateservice/1040719/1022312.html
静岡県「令和7年度こどもの居場所に関する実態調査の結果について」
URL:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/022/312/chosakeka.pdf
静岡県「こどもの居場所一覧(令和8年3月31日現在)」
URL:https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/022/312/0624meibo.pdf
こども家庭庁「こどもの居場所づくりに関する指針」
URL:https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/79abfc84-04d2-4f8a-b7de-2ac0c7b333ba/f141d7b1/20240306_councils_shingikai_kodomo_ibasho_79abfc84_01.pdf
外務省「児童の権利に関する条約」全文
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html

