厚労省、6月を外国人雇用啓発月間に 雇用ルールの徹底呼びかけ

この記事のポイント

1.厚生労働省は6月1日から30日までを「外国人雇用啓発月間」とし、適正な外国人雇用の周知・啓発を行う。
2.2026年度の標語は「ともに働き、ともに支える社会へ ~外国人雇用はルールを守って適正に~」。
3.外国人雇用状況届出、労働条件、安全衛生教育、特定技能・技能実習の適正運用、多言語相談窓口の周知が柱となる。

外国人の人権を尊重しよう

厚生労働省は6月1日から30日までの1か月間、「外国人雇用啓発月間」を実施する。2026年度の標語は「ともに働き、ともに支える社会へ ~外国人雇用はルールを守って適正に~」。事業主団体などの協力を得ながら、外国人労働者の雇用、労働条件、安全衛生、雇用維持・再就職援助について、事業主向けの周知・啓発を進める。

同省は、政府が2026年1月23日に取りまとめた「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に触れ、入国前の日本語教育や社会規範の理解促進、法やルールを逸脱する行為への公正・厳正な対処、制度適正化、関係機関の情報共有・相互連携を進めると説明している。今回の月間は、外国人労働者の受入れ拡大を前提に、雇用管理の適正化と職場での権利保護を同時に扱う施策である。

主な取組では、ポスター・パンフレットをハローワークなどに掲示・配布するほか、厚生労働省、都道府県労働局、労働基準監督署、ハローワークが事業主団体に協力を要請する。特に、外国人を雇い入れた時と離職した時に、すべての事業主に義務付けられている「外国人雇用状況」の届出を徹底する。月間中には、都道府県労働局やハローワークが、外国人雇用管理指針などに関する外国人雇用管理セミナーも開く。

個別の事業主に対しては、雇用・労働条件・安全衛生に関する基本ルールの情報提供、周知、指導を行う。外国人労働者が内容を理解できる方法で、雇入れ時教育などの安全衛生教育を実施するよう指導し、多言語教材も周知する。ハローワークは、在留カード等読取アプリケーションの使用徹底を呼びかけ、労働関係法令、労働保険・社会保険関係法令、出入国管理法令違反の疑いがある場合には、関係機関へ情報提供する。外国人雇用状況届出の未届や虚偽届について、助言・指導・勧告に従わない事案では、警察等への情報提供や刑事告発も行うとしている。

特定技能外国人については、ハローワークが受入れや雇用管理に関する助言・指導を行い、労働基準監督署が法令違反の疑いのある事業主に監督指導を実施する。労働基準関係法令違反に関連して、特定技能外国人への人権侵害が疑われる事案では、出入国在留管理機関との合同監督・調査を行う。技能実習生についても、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などが適用されることを周知し、妊娠や出産を理由に不利益な取扱いをすることが技能実習法等に違反することを啓発する。

相談体制の周知も月間の柱に入る。東京、愛知、大阪、福岡の外国人雇用サービスセンターや、各地の新卒応援ハローワーク等に置かれた留学生コーナーを案内するほか、ハローワークコールセンターの多言語窓口、全国のハローワーク窓口で使える電話通訳サービス「多言語コンタクトセンター」の活用を広げる。外国人労働者向け相談ダイヤルでは、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、ミャンマー語、ネパール語、韓国語、タイ語、インドネシア語、カンボジア語、モンゴル語の13言語で労働条件などの相談を受け付ける。

人権上の論点は、外国人労働者を単なる人手不足対策として扱わず、労働者としての権利、生活者としての安全、職場での尊厳を保障できるかにある。在留資格の確認や届出の徹底は、制度の適正運用に必要である。同時に、賃金不払い、長時間労働、安全衛生教育の不足、妊娠・出産を理由とする不利益取扱い、ハラスメントがあれば、国籍や在留資格にかかわらず労働者の権利侵害となる。厚生労働省の「外国人雇用啓発月間」は、6月の集中的な周知を通じ、事業主に雇用管理と法令遵守の両面を確認させる取組となる。

出典

厚生労働省「6月は『外国人雇用啓発月間』です」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72793.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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