鳥取県、身寄りない人支援で実務者WG 秋までに4回協議

この記事のポイント

1.鳥取県は5月27日、「身寄りのない方を地域で支えるワーキンググループ」の第1回会議を開催した。
2.「とっとり孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」に実務者による検討の場を設け、秋までに計4回協議する予定。
3.身元保証、入退院支援、死後事務、意思決定支援など、家族を前提にした制度運用を地域でどう補うかが論点となる。

鳥取県

鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局孤独・孤立対策課は5月27日、「第1回身寄りのない方を地域で支えるワーキンググループ会議」を開いた。県は、「とっとり孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」に、身寄りのない人の支援策を検討する実務者のワーキンググループを設置した。県の報道提供資料一覧では、同会議について、実務者で支援策を検討する場として開催すると説明している。

ワーキンググループには、鳥取県東部医師会や鳥取県関係課などが関わる。県は今後、秋までに合計4回の開催を予定している。身寄りのない人への支援は、福祉分野だけで完結しにくい。医療機関、介護事業者、行政、社会福祉協議会、権利擁護関係者、法律専門職などが、入院、施設入所、住まい、金銭管理、緊急連絡先、死後の手続をどう分担するかを整理する必要がある。

背景には、家族や親族が本人の支援を担うことを前提にした実務が、単身化や家族関係の希薄化によって成り立ちにくくなっている現実がある。厚生労働省の社会福祉推進事業資料でも、身寄りのない人をめぐって、医療同意、終末期医療の意思決定、死後事務、身元保証などの課題が地域の相談支援機関や医療・福祉現場で生じていることが整理されている。

国の制度面では、孤独・孤立対策推進法が2024年4月に施行され、地方公共団体による孤独・孤立対策地域協議会や、関係機関の連携が制度上の課題として示された。同法は、孤独や社会的孤立により心身に有害な影響を受けている人への支援を、国と地方で総合的に進めるための枠組みを定めている。

人権上の論点は、「家族がいない」「頼れる親族がいない」ことを理由に、医療、介護、住まい、契約、死後の尊厳から排除されない仕組みを作れるかにある。身元保証人がいないことだけで入院や入所、賃貸契約が難しくなれば、本人の生活の選択肢は狭まる。判断能力が低下したときの意思決定支援や、亡くなった後の葬送・家財整理も、本人の尊厳と切り離せない。

鳥取県の今回のワーキンググループは、抽象的な孤独・孤立対策を、身寄りのない人の具体的な生活課題に引き寄せる試みである。5月27日の第1回会議を起点に、秋までの4回の協議で、鳥取県東部医師会や県関係課を含む実務者が、医療・福祉・権利擁護の現場で使える支援の整理を進める。

出典

鳥取県「第1回身寄りのない方を地域で支えるワーキンググループ会議の開催」
URL: https://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/D576E70CABEA87E149258E03007EA691?OpenDocument

参考:内閣官房「孤独・孤立対策推進法」
URL: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/suisinhou/suisinhou.html

参考:厚生労働省「『身寄り』のない人を地域で受けとめるための地域づくりに向けた手引き」
URL: https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000793445.pdf

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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