医療的ケア児、登下校54%で保護者付き添い 改正法は修学旅行まで明記

この記事のポイント

1.学校に在籍する医療的ケア児は1万1,523人、特別支援学校では登下校時に54.0%が保護者等の付き添いを受けている。
2.登下校の付き添い理由では「スクールバスに同乗する医療的ケア看護職員がいない」が47.5%を占めた。
3.2027年4月施行の改正医療的ケア児支援法は、保護者なしで授業や修学旅行などに参加できる支援を具体的に明記する。

医療的ケア児

登下校では半数超に保護者が同行

文部科学省が2026年7月に公表した「令和7年度学校における医療的ケアに関する実態調査」では、医療的ケアが必要な幼児児童生徒は、特別支援学校8,735人、幼稚園・小中高校2,788人の計1万1,523人だった。特別支援学校に通学する6,954人のうち、登下校で保護者等が付き添う子どもは3,753人で54.0%。学校生活での付き添いは262人、3.8%だった。医療的ケア児が学校に在籍できるかだけでなく、毎日の移動を誰が担うのかが、教育参加の条件になっている。

付き添いの47.5%はスクールバスの人員配置

付き添いの理由を見ると、登下校で保護者等が付き添う3,753人のうち1,782人、47.5%は「スクールバスに同乗する医療的ケア看護職員がいないため」だった。学校生活で付き添う262人では、看護職員や認定特定行為業務従事者がいるにもかかわらず「学校・教育委員会が希望しているため」が109人、41.6%で最も多い。すべての付き添いが医学的に不可避なわけではなく、人員配置や学校側の運用によって生じているケースが相当数含まれる。

2026年改正で授業・修学旅行まで具体化

2021年施行の医療的ケア児支援法は、学校設置者に対し、医療的ケア児が保護者の付き添いなしでも適切なケアや支援を受けられるよう、看護師等の配置などを行う責務を定めている。2026年7月31日に公布された改正法は、この原則を新設したものではない。2027年4月1日の施行後は、「授業に出席し、及び修学旅行その他学校等の行事に参加する」ための支援であることを条文上より具体化し、措置の例として介護従事者の配置も加える。

家庭の事情が学校参加を左右する構造

この改正が扱うのは、単なる医療行為の実施場所ではない。日常の授業には参加できても、校外学習や修学旅行で保護者同行が条件になれば、保護者の就労やきょうだいの世話など家庭の事情が子どもの参加可否に影響し得る。医療的ケア児支援法は家族の離職防止も基本理念に含めており、学校生活を家庭の無償ケアに依存させないことは、子どもの教育参加と家族の生活の双方に関係する。

改正法施行後の検証では、看護職員の配置人数だけでは足りない。文部科学省と教育委員会が、学校生活での保護者付き添い率、スクールバスへの看護職員同乗、修学旅行・宿泊行事への保護者なしでの参加状況を継続して公表すれば、制度改正が実際の負担軽減につながったかを追える。2027年4月以降、3,753人という登下校付き添いの数字がどう変化するかが、改正医療的ケア児支援法の実効性を測る具体的な指標となる。

出典

文部科学省「令和7年度学校における医療的ケアに関する実態調査結果」
URL:https://www.mext.go.jp/content/20260708-mxt_tokubetu02-000051133_02.pdf

文部科学省ほか「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の一部を改正する法律の公布について」
URL:https://www.mext.go.jp/content/20260731-mxt_tokubetu02-000007449_1.pdf

衆議院「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の一部を改正する法律案要綱」
URL:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g22105029.htm

e-Gov法令検索「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/503AC0000000081

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人権ニュース編集部

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