1.大田区が9月、認知症月間に合わせてアート展、講演会、サポーター講座など12事業を展開する。
2.若年性認知症のある人の作品を展示し、9月29日の講演会には当事者の櫻井秀明さんが登壇する。
3.認知症基本法が掲げる「新しい認知症観」を、当事者の声を通じて地域へ伝える構成となっている。

大田区は2026年9月、「広げよう 優しいオレンジの輪~Paint it orange~」を掲げ、認知症月間の関連事業を区内各地で実施する。若年性認知症のある人の作品展示、地域包括支援センターによるオレンジリボン自転車、区立図書館での関連図書展示、講演会、認知症サポーター養成講座など12事業を予定する。9月21日の「認知症の日」には区役所本庁舎と障がい者総合サポートセンターをオレンジ色にライトアップする。
9月29日の講演会は「医師と認知症状のある人から聞いてみよう~新しい認知症観~」をテーマとし、認知症サポート医の髙瀬義昌医師と、若年性認知症状のある櫻井秀明さんが登壇する。制度や医療を専門家だけが説明するのではなく、本人の経験を同じ場で扱う点が今回の事業の特徴となる。
2024年1月施行の認知症基本法は、9月21日を「認知症の日」、9月を「認知症月間」と定めた。同法の基本的な方向は、認知症になれば生活の主体ではなくなるという従来型のイメージから離れ、認知症の人が希望を持って地域で暮らし続けることを前提とする共生社会へ転換することにある。大田区が「新しい認知症観」を講演テーマそのものにしたのは、この制度変化を地域啓発へ反映したものといえる。
啓発イベントではオレンジ色のライトアップのような象徴的な取組が目立ちやすい。しかし、より実質的な変化は、認知症のある本人が地域の施策や啓発で「語られる対象」ではなく「語る主体」として参加できるかに表れる。大田区では若年性認知症支援相談窓口も設けており、9月の啓発を相談や継続支援へ結び付けられるかが次の検証項目になる。
大田区「大田区認知症月間イベント『広げよう 優しいオレンジの輪』」
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