1.佐賀県教育委員会が、18歳未満の少女にわいせつな行為をした県立学校の男性教員を懲戒免職とした。
2.退職手当は全額不支給とし、管理監督が不十分だったとして校長と前校長を文書訓告とした。
3.被害者との関係や行為の経緯は非公表で、県教委は全県立学校長と市町教育長へ綱紀粛正を通知した。

佐賀県教育委員会は2026年7月13日、県内に住む18歳未満の少女にわいせつな行為をした県立学校の男性教員を、同日付で懲戒免職とした。退職手当は全部を支給しない。県教委は被害者の特定を避けるため、教員の年齢、所属校、行為の時期や場所、少女との関係などを公表していない。刑事手続きの有無も発表資料には記載されていない。
男性教員は県教委の聴取に対し、自身の認識の甘さと規範意識の欠如により、少女や保護者、学校関係者に迷惑をかけ、学校への信頼を損なったとして反省の意を示した。県教委は、所属職員に対する管理監督が不十分だったとして、現校長と前校長にも7月13日付で文書訓告を行った。ただし、両管理職のどの対応を不十分と判断したのかは説明していない。
佐賀県教育委員会の「懲戒処分の指針」は、児童生徒に対する性行為とわいせつ行為を、いずれも免職の標準例としている。児童生徒以外へのわいせつ行為についても免職と規定するため、被害者と学校との関係を問わず、今回の処分は県の処分基準に沿う。具体的な処分は、行為の態様、経緯、悪質性、過去の処分歴などを踏まえて判断するとしている。
国の教育職員性暴力等防止法は、学校に在籍する幼児、児童、生徒に加え、18歳未満の人を「児童生徒等」と定義する。同法は、教育職員による性暴力が子どもの権利を著しく侵害し、長期にわたる心理的外傷などをもたらすとして、同意や暴行・脅迫の有無にかかわらず、児童生徒性暴力等を禁止している。性暴力を理由に免許状を失った教員への再授与には、専門家で構成する審査会による厳格な審査が設けられている。もっとも、佐賀県の発表は今回の行為を同法上の「児童生徒性暴力等」と明示しておらず、教員免許状の扱いも公表していない。
県教委は処分当日、各県立学校長と各市町教育委員会教育長に綱紀粛正の通知を出し、校長会や研修会でも服務規律と倫理観について指導するとした。しかし、性暴力の防止は、教員本人の自覚を促す研修だけでは完結しない。子どもが教職員との関係を恐れず相談できる窓口、相談を受けた職員が管理職や教育委員会へ通報する手順、疑いを把握した際の被害者保護と外部機関との連携を、学校内で機能させる必要がある。
被害者を特定し得る情報を伏せる判断は、少女のプライバシーと心理的安全を守るために不可欠である。他方、管理職への文書訓告は学校組織にも問題があったことを示す。佐賀県教育委員会が7月13日付の通知や今後の校長会で、現校長と前校長の監督上の問題をどのように再発防止へ反映するかが、今回の処分を組織的な改善につなげる具体的な論点となる。

