1 プラン・インターナショナルは、2026年6月12日、日本で暮らすウクライナ避難民女性50人を対象にした調査結果を公表した。
2 回答者の78%がウクライナ情勢に強い不安を示し、生活適応、言語、経済的安定、参加機会の不足が課題として挙がった。
3 調査は、避難民女性を「支援される対象」だけでなく、平和構築や復興に関わる主体として捉えるWPSの視点を示している。

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンは2026年6月12日、6月20日の「世界難民の日」を前に、調査レポート「日本で暮らすウクライナ避難民女性たちの現状と課題」を公表した。対象は、日本に滞在するウクライナ避難民女性50人。調査は、アンケートやインタビューを通じて、日本での生活、心理的影響、社会参加、ウクライナの復興や平和構築への関わり方を尋ねた。
調査は、女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security:WPS)の枠組みに基づいて分析された。WPSは、紛争下の女性を保護の対象として扱うだけでなく、和平、復興、意思決定、地域社会の再建に参加する担い手として捉える考え方である。プラン・インターナショナルは、2026年2月時点でウクライナでの全面的な紛争開始から4年が経過し、日本には1,943人のウクライナ避難民が滞在していると説明している。
主な調査結果では、ウクライナ情勢に「とても不安」または「非常に不安」と答えた人が78%に上った。不安は心身の健康や日常生活、日本社会への適応に影響し得る一方、平和や支援活動に関わりたいという意識にもつながっている。避難直後と比べて孤独感は全体として減少傾向にあるが、日本での生活適応に伴う時間や資源の不足、言語の壁、参加機会の少なさが残る。
社会参加に向けたニーズとしては、分かりやすくアクセスしやすい情報提供が75%超、簡潔で透明性の高い参加プロセスの整備が70%超、オンラインを含む柔軟な参加形態が約70%、経済的な安定が約80%とされた。復興への関わりについても、恒久的な帰国だけを前提とせず、日本に住みながら、または日本とウクライナを行き来しながら、文化継承、社会支援、教育分野などで経験や技能を生かしたいという意向が示された。
人権上の論点は、避難民女性を一時的な保護対象としてのみ扱うのか、生活再建と社会参加を両立する権利主体として扱うのかにある。言語、雇用、在留、子育て、心身のケアがばらばらに処理されると、本人の意欲があっても活動参加やキャリア形成に結びつきにくい。WPSの視点は、紛争と避難を経験した女性の声を、支援政策や国際協力の設計に反映させるための枠組みとなる。
プラン・インターナショナルは、6月19日にイベント「世界難民の日 彼女たちの声が、未来をつくる―ウクライナ女性と考える平和・復興・日本とのつながり」を開催する。報告書の著者であるアンナ・シャルホロドウスカー氏は、2022年5月28日にウクライナ・マリウポリ市から日本へ避難し、同団体のアドボカシーグループで調査や講演、ワークショップ企画に携わっている。
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン「6月20日世界難民の日を前に、プラン・インターナショナルが新調査発表『日本で暮らすウクライナ避難民女性たちの現状と課題』」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000307.000012939.html

