1.ReBitが11月22、23日に国連大学で「第2回 LGBTQも安心して暮らせるまちづくりシンポジウム」を開き、14プログラムを実施する。
2.内閣府調査では、SOGIを含む職員研修を年1回以上実施する市区町村は27.4%で、都道府県91.5%との開きがある。
3.自治体、教育、医療・福祉、防災などを横断するシンポジウムの成果は、地域の相談・研修・庁内連携へ移せるかで検証できる。

認定NPO法人ReBitは11月22、23日の2日間、東京都渋谷区の国連大学で「第2回 LGBTQも安心して暮らせるまちづくりシンポジウム」を開催する。自治体、大学、教育、家族、ジェンダー平等とSRHR、居場所、医療・福祉、防災・セーフティネットなど14プログラムを設け、全国から自治体職員、研究者、実践者ら約30人が登壇する。各日定員は500人で参加無料。早稲田大学総合研究機構SOGI調査研究所が協力する。
今回の企画を全国的な状況と照合すると、「知識を広げる」だけでなく、自治体で施策を実装する段階に課題があることが分かる。内閣府が全国1,788自治体を対象に実施した調査では、1,284団体が回答した。SOGIの多様性に関する内容を含む職員研修を年1回以上行っていたのは、都道府県91.5%、政令指定都市80.0%に対し、市区町村は27.4%だった。市民向けの講座やシンポジウムも、都道府県68.1%、政令指定都市70.0%、市区町村19.1%と差がある。
組織内部の連携では差がさらに明確になる。SOGI施策の担当部署がある市区町村は75.2%だったが、庁内などで連携・情報共有を行う会議体を設けている市区町村は7.6%にとどまり、91.1%は設置していなかった。ヒアリングでは、担当者が他業務を兼務し、相談窓口の設置や周知に十分な人員を割けないという声も確認されている。LGBTQ施策が人権・男女共同参画担当課だけで完結しにくいのは、学校、住宅、福祉、医療、災害対応など、生活上の課題が複数部署にまたがるからである。
ReBitが14プログラムを自治体施策だけでなく、学校、家族、居場所、医療・福祉、防災まで広げたことは、この行政上の分断に対応する構成と読める。2023年施行の性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進法に基づき、政府は2026年6月に初の基本計画を策定した。制度面が整い始めた後の課題は、地方自治体が既存部署、学校、民間団体、相談機関をどうつなぐかに移っている。シンポジウム後には、紹介された事例が参加自治体の職員研修、相談体制、庁内協議、地域拠点などに移されたかを確認することで、「交流の場」にとどまらない成果を評価できる。
認定NPO法人ReBit「第2回 LGBTQも安心して暮らせるまちづくりシンポジウム」
URL:https://rebitlgbt.org/news/17364/
内閣府「地方公共団体における性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する施策の推進に係る調査・研究」
URL:https://www8.cao.go.jp/rikaizoshin/research/pdf/r07-gaiyo.pdf
SOGIとは
URL:https://jinken-news.com/glossary/sogi/
性的マイノリティ理解増進法とは
URL:https://jinken-news.com/glossary/seiteki-minority-rikai-zoshin-hou/

