かながわ国際交流財団、霧が丘の多文化共生を紹介

この記事のポイント

1.かながわ国際交流財団が11月25日、横浜市緑区・霧が丘団地の多文化共生を紹介するオンラインセミナーを開く
2.NPO法人霧が丘ぷらっとほーむの根岸あすみさんと武藏幸恵さんが、多国籍・多世代の住民を結ぶ地域活動を報告する
3.交流行事だけでなく、学校情報、日本語学習、生活上の困り事を住民同士で支える仕組みが主題となる

根岸あすみさん、武藏幸恵さん

公益財団法人かながわ国際交流財団は2026年11月25日、多文化共生セミナー「おとなりは、外国人?~多国籍・多世代で育むまちづくり~」をオンラインで開く。開催時間は午後6時30分から8時までで、Zoomを使用する。参加費は無料、定員は120人。申込期限は11月22日としている。横浜市緑区の霧が丘団地で、外国人住民、子育て世代、高齢者などが地域の課題を持ち寄り、住民主体のつながりを築いてきた活動を取り上げる。

講師は、NPO法人霧が丘ぷらっとほーむ共同代表の根岸あすみさんと武藏幸恵さん。筑波大学システム情報系の藤井さやか教授が、建築計画、都市計画、社会包摂とまちづくりの立場からコメントする。霧が丘では、団地の少子高齢化が進む一方、インドをはじめ外国にルーツを持つ住民が増え、地域の構成が変化してきた。かながわ国際交流財団の2023年の取材では、霧が丘に住むインド人は約800人とされ、日本語学習、学校からの通知、ごみ出しなど、日常生活に関わる情報の共有が課題として挙げられていた。

活動拠点となる「ぷらっとkiricafe」は、横浜市のヨコハマ市民まち普請事業を活用し、霧が丘グリーンタウンの商店街に2023年1月13日に開設された。子どもから高齢者まで、多世代・多国籍の住民が食事や交流を楽しめる地域コミュニティカフェで、日本語学習、親子交流、生活相談などにも使われている。運営団体は2024年4月、「違いを『楽しみ』そして『繋がり』~助け合える地域へ~」の取組で、第11回かながわ福祉サービス大賞を受賞した。

霧が丘ぷらっとほーむの活動は、外国の料理や文化を紹介する交流会だけではない。日本語を学びながら会話する「日本語カフェ」や、ごみの分別方法を説明する講座を開き、日本人とインド人の保護者が参加するLINEグループでは、学校から配布された文書や翌日の持ち物について情報を交換している。外国人住民が制度や生活上の決まりを一方的に教わる形ではなく、子育て世代、高齢者、外国人住民が、それぞれの知識や経験を提供する仕組みをつくってきた。

日本の在留外国人数は2025年末に412万5,395人となり、初めて400万人を超えた。外国人住民の増加をめぐっては、言語や生活習慣の違いが地域の摩擦として語られる場合がある。しかし、問題の発生を国籍や文化だけに帰すと、住民同士が情報を伝える経路の不足や、相談先の分かりにくさ、行政情報へのアクセスといった構造的な要因を見落とす。多文化共生には、外国人住民に地域のルールを伝えるだけでなく、地域社会の側が異なる背景を持つ住民の声を把握し、意思決定や地域活動への参加経路を設けることが含まれる。

かながわ国際交流財団のセミナーは、霧が丘の活動を完成された成功例として紹介するのではなく、異なる世代やコミュニティーが、食事、子育て、日本語学習、生活相談などの小さな接点から関係を築く過程を扱う。根岸あすみさんと武藏幸恵さんは11月25日、「ぷらっとkiricafe」を中心とする住民主体の実践を報告し、藤井さやか教授が社会包摂と地域空間の両面から霧が丘のまちづくりを整理する。

出典

公益財団法人かながわ国際交流財団「おとなりは、外国人?~多国籍・多世代で育むまちづくり~」
URL:https://www.kifjp.org/general/2026-11

横浜市「多世代・多文化交流の新拠点『ぷらっとkiricafe』が完成」
URL:https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/toshi/2022/0113machibushin.html

公益財団法人かながわ国際交流財団「インドの人たちと互いに分かり合い、そして助け合うために」
URL:https://www.kifjp.org/fund/interview/interview07

公益社団法人かながわ福祉サービス振興会「第11回かながわ福祉サービス大賞」
URL:https://www.kanafuku.jp/240418.html

出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
URL:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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