大阪府、障害児通所支援事業者の指定取消処分

障害を理由とする偏見や差別をなくそう

大阪府は、児童福祉法の規定に基づき、指定障害児通所支援事業者である合同会社縁について、指定取消処分を行ったと発表した。対象となった事業所は、大東市南楠の里町の「児童発達支援・放課後等デイサービス すまいるぱれっと」で、サービス種別は児童発達支援・放課後等デイサービス。処分年月日は2026年4月30日、指定取消年月日は同年6月1日とされている。府は、同事業者について、人員基準違反と不正請求があったとしている。

大阪府によると、同事業所では少なくとも2024年4月から2025年9月まで、基準人員が不足する状態が継続していた。特に2024年8月から2025年2月までは、基準人員の6割程度しか必要な職員が配置されていなかったとされる。適切な人員が雇用できていないにもかかわらず、法人代表は定員を超える利用児童を受け入れ、利用人数に見合った人員を配置しなかった。指定障害児通所支援は、障害のある子どもや家族に対して専門的な支援を提供する制度であり、人員配置は単なる運営上の形式ではなく、子どもの安全と支援の質を確保するための最低限の基盤である。

不正請求については、定員超過利用減算を免れるため、実際に利用した日とは別の利用していない日に請求したり、利用しているにもかかわらず欠席したことにして欠席時対応加算を算定したりする方法で、障害児通所給付費を不正に請求し、受領したとされる。また、定員を超える利用児童を受け入れた結果、基準人員が欠如する状態が続いていたにもかかわらず、人員欠如減算を行わずに障害児通所給付費を請求していた。府が示した不正請求額は約1,835万円で、返還額は支給決定を行った市町村が確定するとしている。

この処分は、障害児福祉サービスの質と信頼性をめぐる問題として受け止める必要がある。児童発達支援や放課後等デイサービスは、発達支援、生活能力の向上、社会参加、保護者支援などを担う重要な制度であり、利用する子どもや保護者は、事業所が適切な人員と支援体制を備えていることを前提にサービスを選択している。こども家庭庁のガイドラインでも、障害のある子どもやその家族に対して質の高い支援を提供すること、子どもの最善の利益を優先して考えることが示されている。人員不足のまま定員を超えて受け入れる運営は、子どもの個別性に応じた支援、事故防止、虐待防止、保護者との連携を弱めるおそれがある。

人権の観点から重要なのは、障害児通所支援を「預かりの場」としてではなく、子どもの発達、尊厳、安全、参加を支える権利保障の場として捉えることである。不正請求は公費の問題に見えやすいが、その背後には、必要な支援を受ける子どもの利益、保護者の信頼、地域の福祉資源への影響がある。行政には、指定時の審査だけでなく、実地指導、苦情・通報への対応、処分後の利用児童の受け皿確保を丁寧に進めることが求められる。事業者側も、報酬請求の適正化に加え、人員配置、記録、支援計画、保護者説明、職員研修を点検し、子どもの権利を中心に据えた運営へ立て直す必要がある。

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