千葉県、カスハラ対策講演会 10月の事業主義務化前に

この記事のポイント

1.千葉県が9月2日、事業主のカスタマーハラスメント対策を扱う人権問題講演会を千葉市で開く
2.2026年10月1日から、相談窓口の整備や被害者への配慮などが事業主の雇用管理上の措置義務となる
3.正当な苦情や障害者による合理的配慮の申出までカスハラとして排除しない判断基準も必要となる

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千葉県は2026年9月2日、令和8年度人権問題講演会「職場を守るカスタマーハラスメント対策」を千葉市生涯学習センター2階ホールで開く。時間は午後1時20分から3時20分までで、定員は300人。入場は無料だが事前申込みが必要で、応募者が定員を上回った場合は抽選となる。申込みは「ちば電子申請サービス」で8月25日まで受け付ける。千葉県と公益財団法人人権教育啓発推進センターが主催・共催し、千葉地方法務局、千葉県教育委員会、千葉市などが後援する。

講師は、人権教育啓発推進センター特任講師で、ハラスメント防止コンサルタント、公認心理師、臨床心理士の小倉千尋氏。小倉氏は人材コンサルティング会社で採用、組織・人材評価、キャリアカウンセリングを担当した後、精神保健分野の相談員や心理カウンセラーを務め、企業・団体のハラスメント調査委員会にも参加している。講演では、カスタマーハラスメントだけでなく、さまざまなハラスメントについて、事例を交えて解説する。午後3時10分からは質疑応答を予定している。

講演会は、企業の実務が大きく変わる直前に開かれる。改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から、カスタマーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置が事業主の義務となる。対象となるのは、顧客や取引先、施設利用者などの言動のうち、業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害するもの。店舗や窓口での対面行為だけでなく、電話やSNSなどを通じた言動も含まれる。

事業主が講じる措置には、労働者を保護する方針と対処方法の明確化、相談窓口の整備、事実関係の迅速な確認、被害を受けた労働者への配慮、再発防止、相談者のプライバシー保護、相談を理由とする不利益取扱いの防止などがある。悪質な事案については、警察への通報や対応終了の通告などを含む対処方針を事前に定め、現場の労働者を一人で対応させない体制も必要となる。カスハラ対策は、従業員個人の接客技術ではなく、事業主が組織として判断し、対応する仕組みへ移る。

ただし、顧客から寄せられる苦情のすべてがカスタマーハラスメントに当たるわけではない。商品やサービスの問題について説明や改善を求める行為は、社会通念上許容される範囲であれば正当な申入れとなる。障害者が不当な差別的取扱いの是正や社会的障壁の除去を申し出る行為も、それ自体はカスハラに該当しない。働く人の安全と尊厳を守る対策と、消費者の意見表明、障害者への合理的配慮を両立させるには、要求内容、言動の態様、継続時間、発生経緯などを踏まえた判断基準が必要となる。

千葉県は2025年10月、労使団体や行政機関など21団体で「NO!カスハラ!ちば共同宣言」を行い、2026年には在宅医療・訪問介護職員を対象とするカスハラ相談センターの対象を拡大した。県の講演会は一般的な啓発にとどまらず、10月1日の措置義務化に向け、企業、自治体、医療・福祉機関などが社内方針、相談窓口、初動対応を点検する機会となる。千葉県健康福祉部健康福祉政策課は、小倉千尋氏による9月2日の講演について、8月25日まで参加申込みを受け付ける。

出典

千葉県「令和8年度人権問題講演会の開催について」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/press/2026/kouenkai-r8-jinken.html

千葉県「令和8年度千葉県人権問題講演会チラシ」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/press/2026/documents/r8-leaflet.pdf

厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

厚生労働省「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662580.pdf

千葉県「NO!カスハラ!ちば共同宣言について」
URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/koyou/press/2025/cus-hara-sengen.html

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人権ニュース編集部

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