1.児童虐待防止全国ネットワークが9月12日と17日、参加無料のオンライン市民ミーティングを開催する。
2.児童虐待防止の制度や体罰禁止について情報提供した後、参加者がグループに分かれ、地域や生活の中でできる対応を考える。
3.2024年度の児童相談所の虐待相談対応は22万3,691件。虐待への通告に加え、保護者を孤立させず早期に支援へつなぐ役割も市民に関係する。

認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークは2026年9月12日午前10時からと17日午後8時から、それぞれ90分間、「オレンジリボン 子ども虐待防止のためのオンライン市民ミーティング」をZoomで開催する。参加費は無料で、両日とも内容は同じ。オレンジリボン運動、法改正、児童虐待防止、体罰禁止などについて情報提供した後、グループディスカッションと参加者による共有、質疑応答を行う。専門知識や支援活動の経験がない人も対象としている。
企画の特徴は、児童虐待を専門職だけが対応する問題として扱わず、市民が制度を知った上で、自身の生活圏でどのように関われるかを話し合う点にある。児童虐待防止法では虐待は身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待に分類される。家庭での体罰についても、2019年の児童福祉法等改正によって、親権者などがしつけに際して体罰を加えてはならないことが法定化され、2020年4月に施行された。児童虐待の防止は、暴力が深刻化した後の介入だけでなく、子育てに困難を抱える家庭が早い段階で相談や地域の支援サービスに接続できる体制と組み合わせて進められている。
こども家庭庁が2026年1月時点でまとめた2024年度の統計では、全国236か所の児童相談所における児童虐待相談対応件数は22万3,691件だった。前年度から1,818件、0.8%減少したものの、20万件を大きく上回る水準が続く。心理的虐待が13万3,024件で全体の59.5%を占め、相談経路では警察などからが11万5,644件、51.7%だった。近隣・知人からの通告などによる対応は前年度の2万2,112件から1万9,841件に減少している。もっとも、この減少だけから地域住民の関心低下を導くことはできない。相談経路の変化や関係機関の対応も影響するためである。なお、この「相談対応件数」は児童相談所が相談を受け、虐待と判断して指導や措置などを行った件数であり、虐待被害を受けた子どもの実人数そのものではない。
市民が虐待を疑った場合の具体的な入口が、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」である。居住地域を管轄する児童相談所につながり、通告・相談は匿名でも可能で、通告者や相談内容の秘密も守られる。必要なのは、第三者が虐待の事実を自ら確定してから連絡することではない。こども家庭庁も「虐待かも」と感じた段階での相談を案内している。子育てや親子関係に悩む子どもや保護者向けには「親子のための相談LINE」も設けられている。
同時に、市民の役割を通告だけに限定すると、虐待の予防という側面が抜け落ちる。育児に疲れている保護者への声掛け、地域の子育て支援や自治体窓口に関する情報の共有など、家庭が孤立する前の接点も児童虐待防止につながる。今回の市民ミーティングでは、制度説明だけで終了せず、参加者同士が自らの暮らしや立場から具体的な対応を話し合う。児童虐待防止全国ネットワークが9月の2回のオンライン会議で、市民による「気づき」を通告と家庭への支援の双方へどう結び付けて提示するかが、今回の企画を実践的な啓発とする鍵になる。
認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク「私たち一人ひとりに何ができるか ~『オレンジリボン』子ども虐待防止のためのオンライン市民ミーティング~」
URL:https://www.orangeribbon.jp/info/npo/2026/08/post-361.php
こども家庭庁「児童虐待防止対策」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai
こども家庭庁「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/taibatsu
児童虐待
URL:https://jinken-news.com/glossary/child-abuse/
児童虐待防止法
URL:https://jinken-news.com/glossary/jidou-gyakutai-boshi-hou/
児童相談所虐待対応ダイヤル189
URL:https://jinken-news.com/glossary/child-abuse-hotline-189/

