富山市で認知症希望大使・丹野智文氏講演 本人発信と地域活動を共有

この記事のポイント

1.富山市が8月13日、富山市民プラザで認知症と地域生活を考える講演会を開催する。定員は先着150人で、参加費は無料。
2.39歳でアルツハイマー型認知症と診断された丹野智文氏が、「認知症とともに生きる」をテーマに本人の立場から語る。
3.アルビス株式会社の見守り活動と婦中とまり木の会の認知症カフェも紹介し、本人発信と地域支援を結び付ける。

認知症とともに暮らせるまちづくり講演会

富山市は2026年8月13日、富山市民プラザ4階のアンサンブルホールで「認知症とともに暮らせるまちづくり講演会」を開く。時間は午後1時30分から3時30分までで、対象は市民、定員は先着150人、参加費は無料。申込期限は8月3日で、専用フォームまたは市長寿福祉課への電話で受け付ける。9月の認知症月間を前に、認知症になっても希望を持って地域で暮らせる環境を考える機会とする。

講師は、おれんじドア代表で国の認知症本人大使「希望大使」を務める丹野智文氏。丹野氏は仙台市在住で、自動車販売会社の営業職だった39歳のときにアルツハイマー型認知症と診断された。診断後も会社に所属しながら、認知症の本人として啓発や当事者支援に携わり、2020年に厚生労働省の希望大使に就任した。講演テーマは「認知症とともに生きる」。医療・介護の専門家が本人を説明する形式ではなく、本人が経験や生活上の課題を自ら語る構成となる。

会場では地域活動の報告も行われる。富山市認知症高齢者見守りネットワークの協力団体であるアルビス株式会社と、「オレンジカフェ喫茶とまり木」を運営する婦中とまり木の会が登壇する。富山市は、行方不明時の早期発見につなげるSOS緊急ダイヤルや見守りシール、地域包括支援センター32か所での相談対応、認知症カフェなどを展開している。企業による日常的な見守りと、本人や家族が地域で交流できる居場所を同じ講演会で扱うことで、啓発を生活支援へつなぐ地域の仕組みが示される。

2024年1月施行の認知症基本法は、認知症の人を基本的人権を享有する個人として捉え、尊厳と希望を持って暮らせる共生社会を掲げた。同法は9月を「認知症月間」、9月21日を「認知症の日」と定めている。2024年12月に閣議決定された認知症施策推進基本計画も、認知症になれば何もできなくなるという見方から離れ、本人の声を起点に施策を進める「新しい認知症観」を示した。本人発信は、周囲が生活や支援を一方的に決めず、本人の意思や社会参加を確かめるための基盤となる。認知症を理由に就労、外出、金銭利用、地域活動を一律に制限すれば、安全確保を名目に本人の選択肢を狭めかねない。

今回の講演会は、丹野氏による本人発信に、アルビス株式会社の見守り活動と婦中とまり木の会の居場所づくりを組み合わせる。富山市長寿福祉課は8月3日まで市民からの参加申込みを受け付け、認知症月間に先立って地域生活を支える具体的な取組を共有する。

出典

出典 厚生労働省「認知症施策推進基本計画」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/001344090.pdf

富山市「認知症とともに暮らせるまちづくり講演会」
URL:https://www.city.toyama.lg.jp/bunka/b_event/1015663.html

出典 富山市「認知症とともに暮らせるまちづくり講演会」リーフレット
URL:https://www.city.toyama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/015/663/tirasi0813.pdf

出典 厚生労働省「認知症の日/認知症月間」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/alzheimerday2024_00001.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
教育
シェアする
タイトルとURLをコピーしました