1.香川県は2025年10月1日から2026年3月31日までに保育所等に関する虐待通報9件を受け、6案件を対応対象とした。
2.調査済み案件では虐待1件、非該当4件となり、虐待が確認された認可外保育施設では5人の子どもが対象となった。
3.公表PDFには心理的虐待の件数をめぐって表と補足記載に不整合があり、公表情報の正確性という別の課題も確認できる。

香川県は2026年9月3日、児童福祉法に基づき、保育所や幼稚園等における職員による虐待事案の対応状況を公表した。対象は改正児童福祉法が施行された2025年10月1日から2026年3月31日まで。通報9件を受け、重複などを整理した要対応件数は6件で、虐待該当1件、非該当4件、事実確認継続中1件だった。虐待が認定されたのは認可外保育施設で、対象児童は1歳児4人と4歳児1人の計5人とされている。
2025年10月施行の改正児童福祉法は、保育所、認定こども園、認可外保育施設などの職員による虐待について、発見者の通報、自治体による事実確認と安全確認、都道府県による公表などの仕組みを整えた。家庭内の児童虐待とは別に、子どもを預かる施設側による身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待を行政が監督する仕組みを法律上明確にした点が制度改正の核心である。
香川県が今回公表したPDFには、見過ごせない不整合もある。虐待種別の表では、身体的虐待1件、ネグレクト1件、心理的虐待0件と記載されているが、同資料の補足では「身体的虐待、心理的虐待、ネグレクトの重複があった」と説明されている。本記事では資料を独自に修正せず、この相違をそのまま指摘する。虐待統計は行政監督や施設選択の基礎資料となるため、県による訂正または説明の有無を今後確認する必要がある。
行政対応を見ると、事業停止・制限命令1件、その他の行政指導4件が記録されている。虐待に該当しなかった案件にも指導が行われており、「虐待認定件数」だけでは保育の質を把握できないことも分かる。今回の集計は制度施行後の6か月だけであり、増減傾向を論じる段階ではない。今後は、通報から安全確認までの期間、子どもへの事後支援、改善措置後の再発状況まで継続公表されるかが、改正児童福祉法の実効性を測る材料となる。
香川県「令和7年度 保育所や幼稚園等における虐待事案の公表について」
URL: https://www.pref.kagawa.lg.jp/kosodate/hoikujo/2025gyakutaikouhyou.html
香川県「令和7年度 保育所や幼稚園等における虐待事案」PDF
URL: https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/63326/2025gyakutaikouhyou.pdf
こども家庭庁「保育所等における虐待防止及び発生時の対応等について」
URL: https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/hoiku-gyakutaiboushi

