1.沖縄県が「沖縄県こどもの権利条例」を7月31日に公布・施行し、県や学校設置者、事業者などの責務を定めた
2.2027年2月までに相談窓口を設け、権利侵害の調査、勧告、公表を行う救済手続を開始する
3.県内のこども・若者から2,575件の回答を集め、高校生が参加したワークショップで前文原案を作成した

沖縄県は2026年7月31日、「沖縄県こどもの権利条例」を公布し、同日施行した。こども基本法の趣旨を踏まえ、全てのこどもを権利の主体として尊重することを基本に、県、県民、保護者、学校設置者、事業者の責務を定めた。県にはこども施策の策定・実施、市町村への協力と支援、権利に関する普及啓発などを課し、年齢や発達の程度に応じた意見表明と社会参画の機会も条例上の施策に組み込んだ。
条例の中核となるのが、こどもの権利侵害に対応する相談・救済の仕組みである。沖縄県は2027年2月までに「こどもの権利相談窓口」を開設する。権利侵害を受けたこどもや保護者などは、調査申出書を知事に提出し、沖縄県こどもの権利擁護委員会による調査を求めることができる。委員会は関係者に資料提出や説明を求め、意見書を示すほか、権利侵害をしたと認める者への勧告や、委員会意見・勧告の概要の公表を行う。
施行時期は制度ごとに異なる。条例本体は7月31日に施行されたが、沖縄県こどもの権利擁護委員会を定める第17条は2026年9月1日、調査、勧告、公表に関する第13条から第16条は2027年2月1日に施行される。相談窓口の開設と調査申出の受付も2027年2月を予定しており、県は相談方法や受付時間について、こどもの意見を取り入れながら決めるとしている。条例を制定しただけで個別の侵害が直ちに解消されるわけではなく、こどもが学校や家庭、施設で不利益を恐れず相談できる手段を整えることが、制度運用の要点となる。
条例づくりの過程にも、こどもの参加が取り入れられた。県内の小学校、中学校、高等学校、児童館、児童養護施設、療育医療センター、こども・若者の居場所などを通じてアンケートを実施し、2,575件の回答を得た。前文の原案は、大学生ファシリテーターを活用した高校生とのワークショップで作成された。県は寄せられた意見を各条項へ最大限反映したと説明しており、意見表明を条例の理念として掲げるだけでなく、制定過程でも実践した形となった。
沖縄県は2020年3月30日、「沖縄県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例」を公布し、同年4月1日に施行した。今回の条例では、権利の普及啓発や虐待防止に加え、相談、調査、勧告、公表までの手続が具体的に示された。沖縄県こども未来部こども若者政策課は、2027年2月の相談窓口開設と調査申出受付に向け、こどもの意見を反映した相談方法と運用体制を整備する。
沖縄県「沖縄県こどもの権利条例」
URL:https://www.pref.okinawa.lg.jp/kyoiku/jido/1007994/1040760.html
沖縄県「沖縄県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例」
URL:https://www.pref.okinawa.lg.jp/kyoiku/jido/1007994/1027380.html

