1.鳥取県と鳥取刑務所が7月31日、刑務所出所者等の就労支援を扱うセミナーを鳥取市で開く。
2.「日本財団職親プロジェクト」の発起人、中井政嗣氏が、企業による雇用と更生支援について講演する。
3.協力雇用主への登録と実際の採用には隔たりがあり、就職後の職場定着まで含めた支援が課題となる。
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鳥取県と鳥取刑務所は2026年7月31日午後2時から3時30分まで、とりぎん文化会館小ホール(鳥取市尚徳町)で「刑務所出所者等就労支援セミナー」を開催する。参加費は無料で事前申込みが必要。申込期限は7月24日で、先着順のため定員に達した場合は期限前に締め切る。鳥取県、鳥取刑務所による施策紹介に加え、千房株式会社代表取締役会長の中井政嗣氏が「『受刑者の更生』できるやんか!!~人間って欠けているから伸びるんや~」と題して講演する。
中井氏は、少年院出院者や刑務所出所者に就労の機会を提供する「日本財団職親プロジェクト」の発起人を務める。同プロジェクトは2013年、関西の企業7社による民間の就労支援として始まり、企業が矯正施設内で採用活動を行い、更生保護施設などと連携して社会復帰を支える仕組みを構築した。今回のセミナーでは、中井氏の経験を通じ、企業が雇用の受け皿となる際の考え方や、就労を再犯防止へ結び付けるための支援を紹介する。
鳥取県は2019年度、鳥取県立ハローワークに更生保護担当の専門就業支援員を配置し、求人開拓、出所者等への職業相談、鳥取刑務所での職業講話、事業主向けセミナーを進めてきた。第2期鳥取県再犯防止推進計画の基礎資料では、2021年度の協力雇用主登録は106社だったが、その年度に雇用実績があった事業者は23社、雇用された刑務所出所者等は36人だった。県は、本人の就労意欲や対人関係、年齢、前歴に対する偏見のほか、企業側の業種が限られていることを、仕事とのマッチングを難しくする要因として挙げている。
全国でも、協力雇用主として登録された事業者は2024年10月1日時点で約2万5,000社に上るが、実際に刑務所出所者等を雇用していたのは801社だった。登録企業を増やすだけでは、採用や就労継続に直結しないことが分かる。雇用後には、仕事の習得、生活習慣、職場内の人間関係、住居や福祉サービスとの調整などが重なるため、保護観察所、ハローワーク、雇用主が役割を分担する仕組みが欠かせない。
刑を終えた人を前歴だけで一律に排除すれば、経済的な自立と地域社会への復帰が難しくなり、孤立を深める要因となる。ただし、採用を無条件に進める問題でもない。企業は業務内容や本人の状況を個別に確認し、職場の安全や犯罪被害者への配慮を保ちながら、必要な指導と相談体制を整える必要がある。鳥取県の計画も、刑を終えて出所した人の人権問題に関する啓発と、協力雇用主の不安・負担を軽減する支援を併せて進める方針を示している。
当日は午後1時から4時まで、同会館小ホールのホワイエで「鳥取刑務所矯正展」も開かれ、全国の刑務所から集めた作業製品を販売する。鳥取県立鳥取ハローワークと鳥取刑務所は、中井政嗣氏の講演と施策紹介を通じ、県内企業が協力雇用主への登録や刑務所出所者等の採用、就職後の定着支援を検討するための情報を示す。
鳥取県「『刑務所出所者等就労支援セミナー 中井政嗣講演会』を開催します!」
URL:http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/BD50E50A055340CE49258E380008526F?OpenDocument
鳥取県「第2期鳥取県再犯防止推進計画」
URL:https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1312808/saihanboushi_plan.pdf
法務省「令和7年版再犯防止推進白書」
URL:https://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00080.html
日本財団「『職親プロジェクト』全国展開へ」
URL:https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2013/20131205-22231.html

