発達障害×トランスジェンダー、重なる働きづらさ講演

この記事のポイント

1.ReBitが8月6日、発達障害とトランスジェンダーが重なる人の働き方を扱うオンライン講演を開く。
2.ADHDのあるトランスジェンダー男性で、就労支援に携わる藥師実芳代表理事が登壇する。
3.障害特性への合理的配慮と、性別情報や呼称などへの対応を分けて検討する必要性を伝える。

発達障害×トランスジェンダーのキャリア支援者が語る“自分らしい働き方”のヒント

認定NPO法人ReBitが運営する就労移行支援事業所「ダイバーシティキャリア」は、2026年8月6日午後6時から6時40分まで、オンライン講演「生きづらさが重複する私たちの仕事術」を開く。参加費は無料で、Zoomを使用する。発達障害や精神障害、HIV、うつなどがあり、就職や復職を考える人のほか、支援者や企業関係者も対象としている。

登壇するのは、ReBit代表理事で国家資格キャリアコンサルタント、社会福祉士、精神保健福祉士の藥師実芳氏。自身がADHDのあるトランスジェンダー男性である経験と、就労支援の実践を基に、仕事で直面しやすい壁、キャリア上のつまずき、自己理解の進め方、職場での配慮や環境調整を解説する。参加者には、後日実施する無料個別相談会の優先予約枠も設ける。

ダイバーシティキャリアは、発達障害、精神障害、LGBTQなどに関わる働きづらさを抱える人に、特性理解、ストレス対処、就職活動、企業との調整、就職後の定着までを支援する。厚生労働省によると、就労移行支援は、一般企業への就職が見込まれる障害者に対し、一定期間、就労に必要な知識と能力を高める訓練を提供する障害福祉サービスである。今回の講演は、制度の利用を検討する段階にある人にも、支援内容を知る入口となる。

雇用分野では、障害者雇用促進法により、事業主は過重な負担とならない範囲で合理的配慮を提供する義務を負う。相談窓口の整備や相談者のプライバシー保護も必要となる。配慮の内容は診断名だけで決めるのではなく、本人が職場で直面している支障を確認し、勤務方法や指示の伝え方、作業環境などを個別に調整する手続が前提となる。

発達障害とトランスジェンダーという複数の属性が重なる場合、働きづらさを一つの原因にまとめると、必要な支援を見誤るおそれがある。障害特性に伴う集中、感覚、対人関係などへの調整と、呼称や性別情報を職場の誰にどこまで伝えるかという課題は、相互に影響しても同じ問題ではない。厚生労働省のハラスメント防止指針では、性的指向や性自認に関する侮辱的言動や、本人の了解を得ない情報の暴露がパワーハラスメントに該当し得る例として示されている。

働き続けられる条件を整えるには、本人が開示する情報の範囲を選べること、相談内容の秘密が守られること、企業側が配慮を固定せず、本人との対話に応じて見直すことが欠かせない。8月6日の講演では、藥師実芳氏の当事者経験とダイバーシティキャリアの支援知を通じ、発達障害とトランスジェンダーが重なる人の仕事選びと職場調整を具体的に扱う。

出典

認定NPO法人ReBit「『生きづらさが重複する私たちの仕事術』個別相談会付き」
URL:https://rebitlgbt.org/news/17343/

厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40524.html

厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shougaisha_h25/index.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

人権ニュース編集部をフォローする
福祉ビジネス
シェアする
タイトルとURLをコピーしました