1.シティ・ハウジングが四国大学などの外国人留学生に、賃貸住宅での生活ルールを伝える特別講義を実施した。
2.生活音、住宅設備、ごみ分別など、不動産管理の現場で生じやすい問題を具体的に扱い、2023年から毎年続けている。
3.外国人住民の住居をめぐっては、生活ルールの共有と同時に、多言語での情報提供や国籍を理由とする入居拒否を防ぐ対応も課題となる。

徳島市のシティ・ハウジング株式会社は、四国大学と四国大学短期大学部の外国人留学生を対象に、特別講義「日本での共同生活のルール ~知らないと困る、賃貸住宅での暮らしのリアル~」を実施した。徳島で生活する留学生と近隣住民との間で、文化や生活習慣の違いから生じるトラブルを防ぐことを目的とした産学連携のプログラムで、2023年から毎年続けている。講義では、不動産賃貸管理の現場で蓄積された事例を基に、日本で住宅を借りて生活する際の具体的な注意点を伝えた。
扱ったのは、夜間の生活音や共用部分での振る舞い、近隣住民とのあいさつに加え、排水管や住宅設備の使い方、換気、清掃、ごみの分別や収集日、指定袋、ごみを出す時間帯などである。賃貸住宅の生活ルールは、契約書だけでは理解しにくい内容も多い。外国人留学生の場合、母国との住宅構造や廃棄物処理制度の違いも加わる。入居後に問題が起きてから注意するのではなく、生活開始時点で具体例を交えて伝える点に、この講義の特徴がある。
ただし、多文化共生を「外国人側が日本の生活ルールを学ぶこと」だけで捉えると、住居をめぐる別の問題が見えにくくなる。法務省は、外国人であることを理由としたアパートへの入居拒否などを人権問題として挙げている。国土交通省も、外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居を支えるため、入居申込書、重要事項説明書、標準契約書などを含む資料を14言語で提供している。生活上のルールを伝えることと、貸主や仲介事業者が理解可能な形で契約情報を提供し、国籍による排除を防ぐことは、同時に進める必要がある。
シティ・ハウジングは2019年から独自の留学生奨学金制度を設け、交流会や外国人向け賃貸ウェブサイトの運用も行っている。こうした取組を住居分野の多文化共生として検証する際には、講義の実施回数だけではなく、契約時の情報が十分に理解されているか、入居後に相談できる経路があるか、生活上の問題が外国人一般への固定的な評価につながっていないかも確認材料となる。四国大学との継続講義を、入居前の説明、多言語対応、入居後の相談まで結び付けられるかが、シティ・ハウジングの地域共生策を測る次の項目になる。
シティホールディングス株式会社「シティ・ハウジングが四国大学と連携し、外国人留学生へ『地域社会との共生講義』を開催」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000185694.html
国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」
URL:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000017.html
法務省「外国人の人権を尊重しましょう」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00101.html

