1.「社会新報」が、「らい予防法」廃止30年と熊本地裁判決25年を機に、残る差別の検証を訴えた。
2.厚生労働省の全国意識調査は、ハンセン病に関する知識が十分に浸透せず、偏見・差別が依然として深刻だと結論づけている。
3.全国13カ所の国立療養所について、入所者や家族、所在自治体を交えた将来構想の具体化も課題に挙げた。

社会民主党の機関紙「社会新報」は2026年7月15日付の「主張」で、1996年の「らい予防法」廃止から30年、2001年5月11日の熊本地方裁判所判決から25年を迎えたとして、現在も残るハンセン病元患者と家族への偏見・差別を検証するよう訴えた。国の隔離政策だけでなく、それを受け入れ、差別を再生産した社会の側の責任にも向き合うべきだと論じている。
「らい予防法」は、治療薬の普及によって隔離を続ける医学的根拠が失われた後も存続し、1996年4月に廃止された。熊本地裁は2001年、隔離規定について、遅くとも1960年以降は違憲性が明白だったとして、厚生大臣の政策転換の遅れと国会の立法不作為を認定した。国は控訴せず、その後、補償法や2008年施行のハンセン病問題基本法によって、被害回復、名誉回復、療養生活の保障を進めてきた。
しかし、法律の廃止と金銭補償だけでは、長期間にわたって形成された差別は消えない。厚生労働省が18歳から79歳までの3,000人を対象に実施し、1,211人から回答を得た2024年度の全国意識調査は、ハンセン病問題に関する知識が十分に浸透しておらず、偏見・差別が現存して深刻な状況にあると分析した。国の人権教育や啓発活動が市民にほとんど届いていない可能性も指摘し、厚生労働省、法務省、文部科学省による統一的な施策の検証を課題に挙げている。
「社会新報」がもう一つ取り上げたのが、国立ハンセン病療養所の将来である。2026年5月1日現在、全国13カ所の国立療養所で暮らす入所者は551人、平均年齢は89.2歳となった。入所者の医療、介護、生活を最後まで保障することに加え、居住者が減少した後も、隔離政策の歴史を示す建物、資料、納骨堂、生活の記録をどのように残すかが切迫した課題となっている。
同紙は、療養所の将来構想を国や施設側だけで決めるのではなく、所在自治体に加え、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会、全国ハンセン病療養所入所者協議会、ハンセン病家族訴訟原告団、全国弁護団連絡会で構成する統一交渉団と十分に意見交換するよう主張した。ハンセン病問題基本法第6条も、国が施策を策定・実施する際、元患者や家族などの意見を反映させる措置を講じると定めている。
隔離政策の検証は、過去の行政判断を記録する作業だけではない。元患者や家族が現在も病歴や親族関係を明かせない状況、学校教育で歴史を学ぶ機会の不足、療養所の閉鎖や施設転用によって記録が失われる危険まで含む。厚生労働省と全国13療養所は、入所者自治会、家族、所在自治体との協議内容を公表し、医療・介護の維持、施設保存、資料継承の具体的な工程へ反映させる必要がある。
社会民主党、厚生労働省、国立ハンセン病資料館
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