横須賀市、市民人権意識調査を公表 指針改定へ市民の認識を反映

アンケート調査のイメージ図

横須賀市は、令和7年度市民人権意識調査の結果を公表した。調査は、市民の人権に対する意識を確認するとともに、「横須賀市人権施策推進指針」の改定に向け、市民の声を把握し、今後の施策の方向性や評価に活用することを目的に実施された。対象は令和7年5月末現在の市内在住15歳以上の男女各1,000人、計2,000人で、調査期間は令和7年6月30日から7月29日まで。郵送で配布し、紙の調査票またはインターネットで回答を受け付けた。回収件数は850件、回収率は42.5%で、紙による回答が543件、インターネットによる回答が307件だった。

調査結果では、関心の高い人権問題として「インターネットによる人権侵害」が48.0%で最も高く、「子どもの人権」40.6%、「障害者の人権」33.6%、「男女共同参画(ジェンダー平等)」33.5%が続いた。社会全体の人権意識については、「高くなっていると感じる」「どちらかといえば感じる」を合わせて68.2%となり、多くの市民が人権意識の向上を実感している。一方で、市が行っている人権に関する取組みについては、「知っているものはない」が43.1%に上った。これは、行政の人権施策が一定程度実施されていても、市民に十分届いていない可能性を示す結果であり、今後の指針改定では、施策内容だけでなく、周知方法や参加機会の設計も課題となる。

個別課題では、インターネット上の人権問題について、「誹謗中傷や差別的な表現など、人権を侵害する情報が掲載されていること」が65.1%と高く、個人情報の拡散や削除困難性も40.6%に上った。災害時の人権問題では、「避難生活でプライバシーが守られないこと」が51.2%、「デマや風評などによる差別的な言動が起きること」が50.5%となり、平時だけでなく非常時の情報環境や避難所運営も人権施策の対象であることが浮かび上がった。同和問題については「知っている」が61.2%、「知らない」が38.8%で、知ったきっかけは「学校の授業で教わった」が26.9%で最多だった。人権教育が地域社会の認識形成に一定の役割を果たしていることを示す一方、世代や学習経験によって理解に差が残る可能性もある。

人権意識の向上に向けて力を入れるべき取組みでは、「学校における人権教育の充実」が60.0%で最も高く、「社会における不公平や格差解消のための行政施策の充実」39.4%、「人権侵害に対する救済や支援」23.9%が続いた。この結果は、市民が人権啓発を単なる広報活動ではなく、教育、相談、救済、制度改善を含む総合的な施策として求めていることを示している。横須賀市にとって今回の調査は、指針改定の基礎資料にとどまらず、インターネット上の差別・誹謗中傷、子どもや障害者の権利、災害時の配慮、部落差別、外国人への差別など、複数の課題を横断的に捉え直す機会となる。市民にとっても、調査結果は、自らの地域でどの人権課題が認識され、どの施策が不足しているのかを確認する手がかりとなる。今後は、調査で示された関心の高さを、学校教育、地域啓発、相談支援、デジタル空間での人権侵害対策にどのように反映させるかが問われる。

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