福岡市、同和問題・憲法・触れる彫刻の人権講座 前期3回

この記事のポイント

1.福岡市人権啓発センターが、同和問題、憲法、触れる彫刻をテーマとする前期3講座を開催する。
2.7月11日から9月12日まで毎月1回実施し、各回定員50人、受講料は無料。
3.差別の構造、基本的人権の保障、視覚に限らない美術鑑賞を異なる方法で学ぶ。

公益財団法人反差別・人権研究所みえ

福岡市人権啓発センター(ココロンセンター)は2026年7月から9月まで、同和問題、憲法、触覚による彫刻鑑賞を扱う「令和8年度ココロンセミナー」前期3回を開く。会場は福岡市中央区舞鶴のあいれふ8階研修室。各回とも午後2時から4時までで、定員50人、受講料は無料。6月15日から申し込みを受け付け、各回の1週間前を締め切りとする。先着順で、手話通訳を希望する場合は早めの申し込みを案内している。

第1回は7月11日、公益財団法人反差別・人権研究所みえ事務局次長の本江優子さんが「わたしらしく生きる~差別をする人がいなければ、差別をされる人はいなくなる~」と題して講演する。本江さんは、同研究所の前身である反差別国際会議みえで2000年から活動し、部落問題のほか、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、女性の人権、性の多様性、ビジネスと人権などの研修にも携わってきた。同和問題を過去の出来事として切り離さず、差別する側の意識や行動、現在の生活との関係から考える回となる。

第2回は8月22日、九州大学法学部教授の南野森さんが「憲法と人権を考える」を担当する。南野さんは憲法学を専門とし、『憲法学の世界』『憲法主義』『10歳から読める・わかる いちばんやさしい日本国憲法』などの著書がある。憲法に書かれた基本的人権は、抽象的な理念だけではなく、行政の制度設計や司法判断、市民の日常生活を支える基準でもある。自治体の啓発講座で憲法を取り上げることは、個別の差別事象を学ぶだけでなく、自由や平等、個人の尊重がどのような仕組みによって保障されるのかを確認する機会になる。

第3回は9月12日、彫刻家で片山博詞モニュメント工房代表、元福岡市中学校教員の片山博詞さんが「見えるものと見えないものの間で~触れて観る彫刻を通して~」を行う。片山さんは2006年に福岡市美術館で、視覚に頼らず触れて鑑賞できる彫刻展を開催して以降、病院や小学校などでも展示やワークショップを続けてきた。当日は異なる素材の彫刻に実際に触れ、触覚が生み出す感覚や意味を体験する。美術鑑賞を「見る」行為だけに限定しない試みは、視覚障がいの有無にかかわらず、作品に接する方法を広げる。

ココロンセンターは、セミナーや映画上映会のほか、人権に関する図書・DVDの貸し出し、企業研修への講師派遣、相談、登録団体との連携を行っている。今回の前期3回も、知識を一方向に伝えるだけではなく、差別の構造、権利保障の基盤、文化への参加方法を異なる切り口から扱う構成だ。福岡市は、7月11日の本江優子さん、8月22日の南野森さん、9月12日の片山博詞さんによる各講座を、あいれふ8階で順次実施する。

出典

福岡市「令和8年度 ココロンセミナー【前期】開催のお知らせ!」
URL:https://www.city.fukuoka.lg.jp/shimin/jinkenkeihatsu/kokoronseminar_r8_1.html

福岡市「福岡市人権啓発センター(ココロンセンター)案内」
URL:https://www.city.fukuoka.lg.jp/shimin/jinkenkeihatsu/centerannai.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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