1.鎌倉市は5月22日、指定管理施設「あおぞら園」の虐待疑いに関する調査結果を公表した。
2.障害福祉課の調査では虐待の事実は確認されなかったが、心理的虐待につながりかねない不適切な対応が一部確認された。
3.市は、あおぞら園に対し、6月30日までに人材育成・職場環境に関する改善報告書を提出するよう求めた。

鎌倉市は5月22日、市の指定管理施設「あおぞら園」で生じた虐待疑いについて、調査結果と今後の対応を公表した。子どもが園で叩かれたと話したとの申し出や、職員の言動をめぐる複数の意見が寄せられたことを受け、市こどもみらい部発達支援室は2月9日、鎌倉市障害者虐待防止センターに障害者虐待防止法に基づく通報を行っていた。
調査は、鎌倉市健康福祉部障害福祉課が虐待を疑われた全事案について実施した。その結果、市は「虐待の事実は確認されませんでした」としている。ただし、児童や保護者の面前を含め、職員間で厳しい口調による指導が行われるなど、園児への心理的虐待になりかねない一部不適切な対応が確認された。虐待認定には至らなかったものの、施設運営上の問題がなかったとはいえない内容である。
市は、あおぞら園に対し、2点について6月30日までに改善報告書を作成し、障害福祉課へ提出するよう求めた。1点目は、職員間の人材育成・指導である。職員同士のコミュニケーションにおいて一部不適切な言動による指導が見受けられたとして、適切な人材育成と指導を行うことを求めている。2点目は職場環境で、人員不足に伴う職員の業務量過多の課題が見受けられたため、適切な人員配置と良好な職場環境づくりを求めた。
今後の対応として、発達支援室と指定管理者は、在園児と卒園児の保護者に調査結果を報告し、あおぞら園の対応について改めて謝罪する。再発防止策としては、すでに月1回以上の保護者参観日の設定、支援力向上研修、虐待防止研修、発達支援室による週2回のモニタリングを実施している。これに加え、適切な人材育成や職場環境の改善を含めた総合的な改善策を、発達支援室と指定管理者が連携して策定する。
人権上の論点は、虐待の有無だけで施設対応を評価しきれない点にある。子ども、とりわけ発達支援を必要とする子どもにとって、職員の声の強さ、表情、職員間の緊張したやり取りは、直接叩かれた場合でなくても不安や萎縮につながることがある。保護者の前で職員間の不適切な指導が行われれば、園への信頼にも影響する。子どもの安心・安全を守るためには、個別事案の調査に加え、支援現場の人員体制、研修、職員間の指導方法まで点検する必要がある。
市は、調査結果を「厳粛に受け止め、真摯に反省する」とし、関係機関とも連携しながら、子どもを安心・安全に預かる施設運営に努めるとしている。あおぞら園では、6月30日までに提出される改善報告書を踏まえ、発達支援室によるモニタリングと指定管理者の改善策が、保護者に見える形で継続されるかが問われる。
鎌倉市「あおぞら園における虐待疑いに関する調査結果及び今後の対応について」
URL: https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kisya/data/2026/20260522-2.html

