1.山形県は5月21日、産業技術短期大学校庄内校の学生1名に体罰を行った職員を減給処分とした。
2.県は、学生の太腿から横腹付近に膝をぶつけた行為と、胸付近に肘を押し当て壁際まで押し付けた行為を確認した。
3.教育・訓練機関における体罰は、指導の名を借りた身体的侵害であり、学生の安全と尊厳を守る管理体制が問われる。

山形県総務部人事課は5月21日、産業技術短期大学校庄内校の学生1名に対して体罰を行ったとして、産業労働部出先機関の主査級職員、50歳代男性を減給10分の1、1月の懲戒処分とした。県は同日付の資料で、令和8年3月に2件の体罰が確認されたと説明している。
県の資料によると、1件目は、職員が学生の提出課題をパソコン画面上で一緒に確認するため、椅子を並べて座っていた際に起きた。学生が集中していない態度や指示に従わない態度を示したとして、職員が左膝を外側に広げ、学生の右太腿から横腹付近にぶつけた。2件目は、提出課題の修正をめぐって職員と学生の意見が分かれ、押し問答となった場面で、職員が肘を学生の胸付近に押し当て、壁際まで押し付けた行為とされる。
管理側にも処分が及んだ。業務管理者の補佐級職員2人と、業務総括者の補佐級職員1人はいずれも厳重注意、管理監督者の次長級職員は文書訓告とされた。県は当事者だけでなく、学生指導を行う現場の管理体制にも責任があるとみて、複数の職員を対象に処分・注意を行った形だ。
体罰の問題は、小中高校だけに限られない。職業訓練や専門教育の場でも、教える側と学ぶ側には明確な力関係がある。課題提出や指導に従うかどうかをめぐる場面で、職員が身体接触を伴う圧力を用いれば、学生は反論や拒否をしにくい。教育上の指導は、内容の説明、注意、評価、再提出の指示などによって行われるべきであり、身体への接触や威圧によって従わせることは、学生の安全と人格を損なう。
人権上の論点は、学生の身体的安全、学習する権利、指導を受ける場での尊厳をどう守るかにある。今回の事案では、提出課題の確認や修正という教育上の日常的な場面が、体罰につながった。山形県と産業技術短期大学校庄内校には、当該職員への処分にとどまらず、学生が不適切な指導を受けた際に相談できる経路、複数職員による指導場面の確認、職員研修など、同校の教育現場で再発を防ぐ運用の点検が必要になる。
山形県「職員の処分について」
URL:https://www.pref.yamagata.jp/documents/52416/press_080521.pdf

