静岡のいじめ予防モデル構築へ 企業・団体の参画募集

この記事のポイント

1.子どもの発達科学研究所が9月8日、地域ぐるみのいじめ予防を協議するオンライン会議を開く。
2.静岡県内の教育関係者に加え、県内で事業を展開する企業・団体から参画を募っている。
3.会議参加、名義後援、寄付の3形式を設け、学校外の主体を予防教育へつなぐ。

【9月8日(火)オンライン会議】地域ぐるみのいじめ予防 参画企業・団体募集~いじめ予防キャラバン@静岡会議~

公益社団法人子どもの発達科学研究所は2026年9月8日午後3時から4時まで、「いじめ予防キャラバン@静岡会議2026」をオンラインで開催する。対象は静岡県内の教育関係者と、県内で事業を展開する企業・団体。Zoomを使用し、参加者にはアーカイブ動画も配信する。第1回となる会議では、同研究所が進める事業の意義と静岡県内の現状を共有する。

会議は、静岡県内の小中学校に体験型いじめ予防教育「ゲミワ」を導入し、学校、家庭、地域の連携による「静岡モデル」を構築するプロジェクトの一部となる。研究所は2026年5月、静岡市、磐田市、浜松市を優先地域として先行モデル校を募集した。グランパ基金の助成により、講師派遣費や教材費を学校側が負担せず、児童生徒向けワークショップ、教職員研修、保護者向けの参観や講義、事前・事後アンケートを組み合わせる計画を示している。実施期間は7月から12月までとしている。

「ゲミワ」は、ゲームとグループワークを通じて、いじめを生みやすい考え方や、目撃時に取れる行動を学ぶプログラムである。低学年向けの「クラスピ」、高学年・中学生向けの「シンキングエラーカード」「やはた行動カード」、学級環境を考える「学校風土向上カード」などを用意する。動画、ワークシート、教職員用マニュアルを組み合わせ、知識を伝えるだけでなく、児童生徒が具体的な場面でどう行動するかを話し合う構成を取る。

企業・団体の参画方法は、オンライン会議への出席、活動への名義後援、活動資金の寄付の3種類。会議への出席者は、地域の状況や既存の取組を共有し、意見交換に加わる。今回の募集は、企業が学校内の個別事案へ直接関与する仕組みではなく、予防教育を継続するための資金、知見、地域ネットワークを結び付ける試みと整理できる。企業名の掲載や寄付だけで完結させず、どの支援が児童生徒や教職員の環境改善につながったかを検証できる設計が必要となる。

文部科学省の2024年度調査では、全国のいじめ認知件数は76万9,022件、重大事態は過去最多の1,405件だった。重大事態のうち、深刻な被害を把握する前に学校がいじめとして認知していた事案は915件にとどまった。認知件数には積極的に小さな兆候を把握した結果も含まれるため、単純に発生件数の増加とはいえないが、重大化する前の発見と組織的対応には課題が残る。

いじめ予防は、児童生徒の尊厳と心身の安全、安心して教育を受ける環境に関わる。学校外の企業や団体が加わる場合も、学校と教育委員会の法的責任を置き換えるものではなく、児童生徒のプライバシーを守りながら予防資源を補う役割として整理する必要がある。9月8日の静岡会議では、地域の現状を共有したうえで、会議参加、名義後援、寄付という3形式を、静岡県内の小中学校で続けられる支援へどう結び付けるかが協議される。

出典

公益社団法人子どもの発達科学研究所「地域ぐるみのいじめ予防 参画企業・団体募集~いじめ予防キャラバン@静岡会議~」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000076724.html

公益社団法人子どもの発達科学研究所「いじめ予防キャラバン@静岡会議」
URL:https://web.kohatsu.org/info20260721/

文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00006.htm

人権ニュース編集部

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