1.愛知県が7月15日、愛知県立大学長久手キャンパスで性暴力被害防止セミナーを開催する。
2.性暴力被害の実態、被害直後の急性期対応、トラウマ・PTSDについて、医療・心理の専門家が講演する。
3.被害防止を自己防衛だけの問題にせず、相談を受けた周囲の対応や支援機関への接続まで学ぶ必要がある。

愛知県は7月15日午後2時から、愛知県立大学長久手キャンパスの学術文化交流センターで「性暴力被害防止セミナー」を開く。性暴力の実態、被害直後の支援、トラウマや心的外傷後ストレス障害(PTSD)を学ぶ内容で、愛知県立大学との共催。対象は県民全般で、定員は先着100人、参加費は無料となる。申込期限は7月13日必着で、メール、FAX、郵送のいずれかで受け付ける。
セミナーは3部構成。愛知県警察本部生活安全部生活安全特別捜査課の職員が「性犯罪被害防止のための予防策」を説明した後、一般社団法人日本フォレンジックヒューマンケアセンター代表理事の片岡笑美子さんが「性暴力被害の実態と支援活動―急性期対応の必要性―」、同代表理事の長江美代子さんが「性暴力被害者のトラウマ・PTSD」をテーマに講演する。予防から被害直後、心身の回復までを2時間で扱う。
片岡さんは日本版性暴力対応看護師(SANE-J)で、長江さんは精神看護専門看護師、公認心理師、SANE-Jの資格を持つ。両氏は2016年1月、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院内に「性暴力救援センター日赤なごやなごみ」を開設した。片岡さんは多機関・多職種による支援体制と人材育成、長江さんはPTSDからの回復とトラウマケアに取り組んでいる。被害直後には医療、心理、捜査、法律、生活面の支援が重なるため、相談者が複数の窓口を行き来せずに済む連携が負担軽減につながる。
内閣府が16歳から24歳を対象に行った調査では、約4人に1人が何らかの性暴力被害を経験したと回答した。別の全国調査では、不同意性交等の被害を受けた人の55.7%が、どこにも相談していない。愛知県内では「性暴力救援センター日赤なごやなごみ」が年齢や性別を問わず24時間365日相談を受け、全国共通短縮番号「#8891」からもつながる。セミナーで相談先と支援内容を具体的に示すことは、被害を抱え込む期間を短くするための基礎情報となる。
人権上の論点は、「被害防止」が被害に遭わないための自己防衛だけに偏らないかという点にもある。服装、時間帯、飲酒、交友関係などを理由に被害を受けた側へ責任を移せば、相談をためらわせ、加害行為の責任を曖昧にする。予防情報は、同意のない性的行為をしないこと、周囲が被害の兆候に気づいた際の対応、相談を受けた人が否定や詮索をせず支援機関へつなぐ方法と併せて扱う必要がある。愛知県防災安全局県民安全課は、愛知県立大学で開く7月15日のセミナーについて、7月13日必着で参加申込みを受け付ける。
愛知県「『性暴力被害防止セミナー』の参加者を募集します」
URL:https://www.pref.aichi.jp/press-release/seminar0715.html
参考 愛知県「性犯罪・性暴力被害者のための支援」
URL:https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenmin-anzen/seihanzai.html
参考 内閣府男女共同参画局「若年層の性暴力被害に関する調査」
URL:https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2023/202401/202401_01.html

