1.栃木県教育委員会は、令和8年度版の児童生徒用デジタル学習教材「人権の窓」を公開した。
2.テーマは「こどもの人権とインターネット」で、いじめ、誹謗中傷、個人情報の流出などを扱う。
3.小学校低学年から高校生まで、学年段階に応じたクイズ、事例学習、ワークシートを用意している。

栃木県教育委員会は2026年7月3日、令和8年度「人権の窓」こどもの人権とインターネット編を公開した。児童生徒用のデジタル学習教材で、内容に応じた対象学年を示しつつ、各学校や学年の実態に合わせて活用する形式を取っている。教材は、PPT版とPDF版を中心に構成され、学校現場での授業、学級活動、情報モラル教育と接続しやすい形にしている。
公開された教材は、「インターネットと人権」について知ろう、事例から考えよう、ワークシート、クイズ教材に分かれる。クイズは小学校1~4年生向け、小学校5~6年生・中学生向け、高校生向け初級編、高校生向け上級編を用意する。発達段階に応じて同じテーマを扱えるようにしている点は、単発の注意喚起ではなく、継続的な人権教育教材としての設計に近い。
教材本文は、インターネット上の人権侵害として、いじめ、誹謗中傷、個人情報の流出、不適切・不正確な情報の拡散、犯罪やトラブル、電話・メール相談窓口を挙げている。児童生徒に対し、どのような行為が人権侵害になり得るのかを確認させ、気を付けるべきことを考えさせる構成である。
事例学習では、メッセージアプリのグループ内で特定の子を無視する、グループから外す、複数人で責めるといった行為を例示している。写真の共有・拡散では、顔写真を加工して共有する行為や、削除を求められた写真を勝手に拡散する行為も取り上げる。児童生徒が実際に使うサービス上の場面に寄せているため、抽象的な「ネットの危険」ではなく、日常の操作が他者の尊厳やプライバシーを損なう過程を考えやすい。
人権教育として見ると、この教材の焦点は、単に「危ない投稿をしない」という行動規範にとどまらない。教材は、インターネットが生活を豊かにする一方で、使い方を誤ると事件や犯罪に巻き込まれるきっかけとなり、人を傷つける「凶器」にもなると説明している。自分と相手の人権を大切にする視点から利用を考えさせる点に、情報モラル教育と人権教育を結び付ける狙いがある。
学校現場では、児童生徒が被害者、加害者、傍観者のいずれにもなり得る場面を、年齢に応じて扱うことになる。栃木県教育政策課は、PPT、PDF、ワークシートを同じページに掲載し、授業で加工・提示しやすい形にしている。問い合わせ先は教育政策課で、県は令和8年度版「人権の窓」こどもの人権とインターネット編を、宇都宮市塙田1-1-20の同課所管資料として提供している。

