1.川崎市は、令和7年度の児童虐待相談・通告件数が6,303件だったと公表した。
2.虐待種別では心理的虐待が3,527件で、全体の53.5%を占めた。
3.年齢別では、就学前までの乳幼児が2,782件となり、全体の44.1%を占めた。

川崎市こども未来局は5月28日、令和7年度に市内3か所の児童相談所と7区役所で受けた児童虐待相談・通告件数を公表した。市全体の受付件数は6,303件で、令和6年度の5,933件から370件増え、対前年度比は106.2%となった。内訳は、区役所が1,732件、児童相談所が4,571件だった。なお、この件数は相談を受け付けた時点で分類したもので、その後の調査で虐待の事実が認められなかったケースや、対象児童を確認できなかったものも含まれる。
区別では、川崎区が1,263件で最も多く、構成比は20.0%だった。次いで宮前区が1,115件で17.7%、高津区が816件で12.9%、中原区が772件で12.2%、多摩区が763件で12.1%、麻生区が755件で12.0%、幸区が719件で11.4%となった。市は「その他」として、初期調査で管轄区外に居住していることが確認されたものや、住所を特定できなかった件数100件も集計している。
虐待種別では、心理的虐待が3,527件で最も多く、全体の53.5%を占めた。身体的虐待は1,202件、ネグレクトは1,546件、性的虐待は28件だった。令和6年度と比べると、心理的虐待は3,202件から325件増え、身体的虐待も1,126件から76件増えた。一方、ネグレクトは1,571件から1,546件に、性的虐待は34件から28件に減少している。
年齢別では、小学生が2,086件で最も多く、構成比は33.1%だった。0~3歳未満は1,565件、3歳~就学前は1,217件で、就学前までの乳幼児を合わせると2,782件、全体の44.1%を占めた。中学生は813件、高校生・その他は509件、不明は113件だった。虐待は家庭内で起きることが多く、年齢が低いこどもほど自ら被害を説明したり、外部に助けを求めたりしにくい。乳幼児の割合が高いことは、保育所、医療機関、地域の支援機関による早期把握の重要性を示している。
経路別では、警察からの通告が2,074件で最も多かった。次いで保健所等が639件、学校等が597件、家族・親戚が550件、虐待者本人が448件、近隣・知人が435件となった。児童虐待の把握は、児童相談所だけで完結しない。学校、保育所、医療機関、警察、区役所がそれぞれ異なる生活場面で兆候を受け止めるため、相談・通告件数の増加は、虐待そのものの増減だけでなく、地域の発見力や通告行動の変化も反映する。
人権上の論点は、こどもを家庭の中だけに閉じ込めず、暴力、放置、心理的支配から守る権利主体として扱えるかにある。心理的虐待が半数を超える状況では、身体的な傷の有無だけで判断しない支援体制が必要になる。川崎市こども未来局児童家庭支援・虐待対策室は、3か所の児童相談所と7区役所で受けた相談・通告を基に、令和7年度の状況を整理した。今回の6,303件という数字は、川崎市内でこどもの安全を確認する入口が、児童相談所、区役所、警察、学校、保健所等に広がっていることを示している。
川崎市「令和7年度川崎市における児童虐待相談・通告件数をお知らせします」
URL: https://www.city.kawasaki.jp/templates/prs/450/0000187558.html
