岐阜県教委、体罰で教諭を減給処分 部活動中に生徒を蹴る

この記事のポイント

1.岐阜県教育委員会は5月21日、県立岐阜北高等学校の男性教諭を減給処分とした。
2.教諭は部活動の指導中、生徒1人の臀部を蹴り、頭をスマートフォンで叩いたほか、問題集を投げ捨てた。
3.県教委は、校長についても文書訓告とし、学校管理上の責任を問う措置を取った。

懲戒処分のイメージ図

岐阜県教育委員会は5月22日、県立岐阜北高等学校の男性教諭に対する懲戒処分を公表した。処分は5月21日付。対象となったのは60歳の男性教諭で、処分内容は減給10分の1、1月である。県教委は、体罰及び不適切な指導があったとして、地方公務員法第29条第1項第1号、第2号、第3号を根拠に処分した。

発表資料によると、事案は令和8年4月18日、同教諭が勤務校で部活動を指導した際に起きた。教諭は生徒1人の臀部を蹴り、頭をスマートフォンで叩いた。続けて、同生徒が所有する問題集を投げ捨てたとされる。県教委は、関係者の措置として、校長を文書訓告とした。

今回の処分は、部活動における指導の在り方を改めて問うものとなる。部活動は、競技力や技能の向上だけでなく、生徒の成長を支える教育活動として行われる。その場で教員が暴力や威圧的な言動を用いれば、生徒は身体的な痛みだけでなく、指導者との関係の中で心理的な圧迫を受ける。問題集を投げ捨てる行為も、単なる物の扱いにとどまらず、生徒の学習や努力を否定するように受け止められかねない。

人権上の論点は、学校での指導が生徒の尊厳と安全を侵害しない形で行われなければならない点にある。体罰は、教育上の必要性を理由に正当化されるものではない。特に部活動では、教員や顧問が評価、出場機会、練習環境に強い影響を持つため、生徒が被害を訴えにくい構造が生じやすい。学校側には、個別教員の処分だけでなく、部活動内で暴力的・威圧的な指導が放置されない仕組みを整える責任がある。

県教委が校長を文書訓告としたことは、管理職の監督責任にも踏み込んだ対応である。体罰事案では、加害行為をした教職員本人の責任に加え、学校として相談しやすい環境を作っていたか、部活動の指導状況を把握していたか、再発防止の研修や点検が機能していたかが問われる。岐阜北高等学校では、5月21日付の処分を受け、部活動指導と生徒対応の管理体制を具体的に見直す必要がある。

出典

岐阜県「教職員の懲戒処分(令和8年5月22日)」
URL: https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/498691.html

岐阜県教育委員会「教職員の懲戒処分について」
URL: https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/500142.pdf

人権ニュース編集部

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