大阪府人権相談、2025年度報告書公表 新規516件

この記事のポイント

1.大阪府人権相談・啓発等事業は5月26日、2025年度の専門相談事業に関する年次統計分析報告書の概要版を公開した。
2.2025年度の新規受付件数は516件、延べ受付件数は1,627件、延べ対応件数は1,904件だった。
3.人権課題別では、障がい者、医療、労働、子ども、女性に関する相談が多く、相談内容の複合化も示された。

大阪府人権相談・啓発等事業は5月26日、令和7(2025)年度の「年次統計分析報告書(概要版)」を公開した。対象期間は2025年4月から2026年3月まで。大阪府から委託を受け、専門相談事業を担う一般財団法人大阪府人権協会が、相談件数、相談者属性、相談手法、人権課題別の傾向などを整理した。

2025年度の相談実績は、新規受付件数516件、実件数720件、延べ受付件数1,627件、延べ対応件数1,904件だった。報告書は、新規受付件数516件に対して延べ受付件数が1,627件であり、1人の相談者が平均約3回相談していることになると説明している。相談は一度で終わらず、助言、確認、再相談、他機関紹介を重ねながら進むケースが一定数あることがうかがえる。

相談手法では、電話相談が1,342件で全体の82.5%を占めた。電子メール相談は144件、LINE相談は102件、面接相談は19件だった。電話相談は月曜日から金曜日と第4日曜日の午前10時から午後4時まで、LINE相談は木曜日・金曜日の午後6時から午後10時まで受け付けている。電話を中心にしつつ、夜間のLINE、常時受付のメールなどを組み合わせる構成となっている。

相談者属性では、新規受付件数に基づく集計で、女性267人、男性189人、その他3人、回答しない4人、不明53人だった。年代別では不明が287人と過半を占めるが、判明分では60歳以上62人、40代51人、50代49人、30代38人の順に多い。地域別では、大阪府内が354件、大阪府外が32件、不明が130件だった。匿名相談が可能な窓口であるため、属性の「不明」が一定程度生じる点には留意が要る。

人権課題別では、実件数に基づく集計で、障がい者に関する相談が175件、医療が116件、労働が105件、子どもが83件、女性が81件と続いた。新規受付件数では、障がい者99件、労働73件、子ども66件、医療53件が多い。報告書は、人権課題が複合する場合には重複計上していると説明しており、障がい、労働、医療、家族関係、インターネット上の問題などが単独ではなく重なって現れる実態を示している。

人権上の論点は、相談窓口を単なる案内先ではなく、複合的な困難を受け止め、必要に応じて他機関へつなぐ基盤として扱う点にある。2025年度の相談対応では、助言・指導で終了が296件、傾聴が103件、助言と他機関紹介で終了が95件、他機関紹介で終了が93件だった。弁護士への相談は13件で、相談員が本人の同意のもと案内、同行、同席を行った。大阪府人権相談・啓発等事業は、府内市町村への相談サポートも31件実施しており、個別相談と自治体支援の両面から人権相談体制を支えている。

出典
人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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