外国ルーツの親子と地域を結ぶ 神奈川で多文化共生セミナー

この記事のポイント

1.かながわ国際交流財団が10月29日、外国ルーツの親子と地域住民のつながりを考えるオンラインセミナーを開く
2.NPO法人まるまーるの小澤由香代表理事が、鎌倉市で続ける情報提供、相談、交流活動を紹介する
3.外国につながる子どもへの支援では、文化交流に加え、保育、教育、医療、行政情報へのアクセスが課題となる

小澤由香さん

公益財団法人かながわ国際交流財団は2026年10月29日、多文化共生セミナー「ママ友は、外国人?~自分らしさを大切にできる世界に~」をオンラインで開く。開催時間は午後6時30分から8時までで、Zoomを使用する。参加費は無料、定員は120人。申込期限は10月26日としている。外国人住民と地域住民が子育てを通じて接する日常を題材に、文化や言語、家庭環境の違いを地域の中でどのように受け止めるかを考える。

講師は、鎌倉市を拠点とするNPO法人まるまーるの小澤由香代表理事。小澤さんは2016年に活動を始め、イベント、情報提供、相談などを通じて、外国ルーツの親子と地域の親子をつないできた。まるまーるは鎌倉市との協働事業で、行政相談窓口や相談機関をまとめた生活ガイドを「わかりやすい日本語」と英語で制作している。交流の機会を設けるだけでなく、必要な制度や相談先へ到達するための情報支援を行っている点に特徴がある。

日本の在留外国人数は2025年末に412万5,395人となり、初めて400万人を超えた。神奈川県は31万7,353人で、東京都、大阪府、愛知県に次いで全国4番目に多い。県内の保育所や学校、医療機関、地域活動では、外国人住民や外国につながる子どもと接する機会が、特定の地域に限られない状況となっている。もっとも、外国につながる子どもには、日本国籍を持つ子どもや、日本で生まれ育った子どもも含まれる。国籍だけでは、家庭で使う言語、文化的背景、必要な支援を把握できない。

子育てに関する課題は、地域住民との交流だけでは解消しない。妊娠・出産の手続、乳幼児健診、予防接種、保育所の申込み、学校からの通知、就学相談などの情報が保護者に伝わらなければ、子どもが利用できる制度にも影響が及ぶ。かながわ国際交流財団は、妊娠から小学校入学までの流れを確認できる資料や、母子保健、保育、行政手続に関する情報を多言語とやさしい日本語で提供している。地域の親同士のつながりは孤立を防ぐ接点となるが、行政、学校、医療機関が分かりやすく情報を届ける責任に代わるものではない。

神奈川県の「かながわ国際施策推進指針」は、多文化共生の地域社会づくりとして、外国籍県民が暮らしやすい環境、日本語教育、外国につながりのある子どもへの支援、多文化理解の促進を掲げる。10月29日のセミナーは、NPO法人まるまーるが鎌倉で続けてきた親子の交流と相談支援を手掛かりに、外国人住民を支援の対象としてだけでなく、地域を構成する住民として捉える機会となる。かながわ国際交流財団は、10月26日までオンラインで参加申込みを受け付ける。

出典

公益財団法人かながわ国際交流財団「ママ友は、外国人?~自分らしさを大切にできる世界に~」
URL:https://www.kifjp.org/general/2026-10

出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
URL:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html

神奈川県「かながわ国際施策推進指針について」
URL:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/k2w/cnt/f607/index.html

公益財団法人かながわ国際交流財団「外国人住民のための子育て支援サイト」
URL:https://www.kifjp.org/child/jpn

鎌倉市「広報かまくら2024年4月号」
URL:https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kouhou/kamakura/24/documents/240401-0.pdf

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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