廿日市市で高齢者とネットの人権講座 擁護委員3人登壇

この記事のポイント

1.廿日市市の平良市民センターで9月17日、高齢者の人権とインターネットを扱う無料講座が開かれる
2.中田禎二さん、梅本光子さん、池上宏さんの人権擁護委員3人が講師を務め、定員は40人
3.高齢者をネット上の危険から守るだけでなく、情報取得や社会参加の機会を確保することも人権上の論点となる

高齢者の人権を守ろう

廿日市市の平良市民センターと平良地区人権啓発推進協議会は2026年9月17日、「高齢者の人権を守り、平和な地域社会をつくる~ネットは便利!でも危険も・・・~」と題する人権啓発講座を開く。時間は午後1時30分から3時まで。人権擁護委員の中田禎二さん、梅本光子さん、池上宏さんが講師を務める。対象は限定せず、参加費は無料、定員は40人で、定員に達し次第、受付を締め切る。

市の案内は、身近な地域を歩くように、スマートフォンを通じてネット社会へ入ることができる時代になったと説明する。そのうえで、ネット社会と地域社会の構成員として注意したいことや、自分たちにできることを考える講座としている。個別の講義項目は公表されていないため、詐欺対策、SNSの利用方法、誹謗中傷などのうち、どこまで扱うかは確認できない。講座名からは、インターネットの利便性と危険性の双方を、高齢者の尊厳や地域の人間関係と結び付けて考える企画であることが分かる。

講師を務める人権擁護委員は、法務大臣から委嘱された民間のボランティアで、地域で人権相談や人権啓発に携わる。法務省は啓発活動の項目として「高齢者の人権を守ろう」と「インターネット上の人権侵害をなくそう」を掲げている。インターネット上では、個人への誹謗中傷、名誉やプライバシーの侵害、差別的な投稿などが問題となる。高齢者に関しても、本人の写真、氏名、生活状況を同意なく掲載することや、年齢だけを理由に能力を低く評価することは、尊厳や自己決定に関わる問題となる。

講座を「高齢者にネットの危険を教える場」とだけ捉えると、別の問題を見落とす。インターネットは、行政情報や医療・福祉情報を得る手段であり、家族や友人との交流、学習、地域活動への参加にも利用される。国連の「高齢者のための国連原則」は、高齢者の自立、参加、ケア、自己実現、尊厳を五つの柱として示している。安全確保を理由に利用を一律に制限するのではなく、必要な知識や相談先を提供し、本人が利用方法を選べる状態をつくることが、高齢者の社会参加と権利保障につながる。

手話通訳または要約筆記を必要とする参加者は、8月27日までに平良市民センターへ連絡する。申込みと問い合わせは同センターが電話で受け付ける。聴覚に障害のある人への情報保障を事前に案内することで、講座の主題である高齢者だけでなく、異なる情報伝達手段を必要とする住民も参加できる。平良市民センターと平良地区人権啓発推進協議会は、9月17日の講座を通じ、ネット上の行動と地域での人権尊重を併せて考える機会を設ける。

出典

廿日市市「高齢者の人権を守り、平和な地域社会をつくる~ネットは便利!でも危険も・・・~」
URL:https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/92/143017.html

法務省「人権擁護委員の日」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00046.html

法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」
URL:https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken88.html

国連人権高等弁務官事務所「United Nations Principles for Older Persons」
URL:https://www.ohchr.org/sites/default/files/olderpersons.pdf

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