児童虐待22万件超 広島市、死亡事例から防止策を学ぶ講演

この記事のポイント

1.広島県と広島市は11月、児童虐待の死亡事例を分析するオンライン講演会を開催する。
2.2024年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談は22万件を超える水準となった。
3.児童虐待は「確証を得てから通告する」制度ではなく、「虐待かもしれない」と感じた段階で児童相談所虐待対応ダイヤル189へ相談できる。

広島市の令和8年度児童虐待防止対策講演会

広島県と広島市は2026年11月1日から30日まで、児童虐待防止対策講演会「こどもを虐待から守るために~虐待死亡事例から見た虐待対応のポイント~」をオンライン配信する。講師は認定NPO法人児童虐待防止協会理事長の才村純氏。虐待死亡事例の分析から、虐待が深刻化する背景、見逃されやすい兆候、必要な支援、地域の役割を考える。

こども家庭庁によると、全国の児童相談所が対応する児童虐待相談は年間22万件を超える水準となっている。虐待の種類では心理的虐待の割合が高く、警察や学校などから児童相談所へ情報が寄せられるケースも多い。相談件数の多さは、虐待を家庭内部だけの問題として処理できないことを示している。

死亡事例を学ぶ意味は、「なぜ周囲が気付かなかったのか」と特定の個人を責めることではない。家庭状況、経済的困難、保護者の孤立、子どもの状態、医療・学校・自治体間の情報共有など複数の条件が重なる場合がある。それぞれの機関が持つ断片的な情報をどの段階で共有し、安全確認や支援へつなぐかを分析することが、同種事例の再発防止につながる。

児童相談所虐待対応ダイヤル「189」は、「虐待かもしれない」と思った段階で児童相談所へ相談・通告できる。通告する住民が虐待の事実を確定したり、証拠を集めたりすることを求める制度ではない。こども家庭庁は通告者や相談内容の秘密を守ることも案内している。広島県・広島市の講演で死亡事例の検証と189など具体的な相談手段を結び付けられれば、知識の啓発から、疑いを持った際にどう行動するかまで示すことができる。

出典

広島市「令和8年度児童虐待防止対策講演会」
URL:https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/kosodate/1021253/1025917/1043680.html

こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル189について」
URL:https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/gyakutai-taiou-dial/

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、裁判所、企業、公益団体、国際機関などが公表する一次情報を確認し、差別、子ども、障害者、高齢者、教育、福祉、司法・制度、外国人、ビジネスと人権などに関するニュース、制度解説、独自調査を発信しています。記事では出典を明示し、事実関係を確認したうえで、関連する法制度や統計、過去の経緯などを参照しながら、人権上の論点や社会的背景を整理しています。

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