伊万里市、いじめ相談でON THE ROADsと協定へ

この記事のポイント

1.佐賀県伊万里市と公益社団法人ON THE ROADsは6月8日、子どものいじめ対策に関する連携協定を締結する。
2.協定では、個別相談、復学に向けた伴走支援、いじめ抑止の普及啓発活動などを連携事項とする。
3.学校内対応に限らず、外部団体と連携して被害児童生徒を支える仕組みづくりが課題となる。

公益社団法人ON THE ROADs

佐賀県伊万里市と公益社団法人ON THE ROADsは6月8日、伊万里市役所で、子どものいじめに関する連携協定を締結する。締結式は午後1時30分から、市役所3階第2応接室で行う。伊万里市からは深浦弘信市長、中尾聡彦教育長、松本公貴教育部長が、ON THE ROADsからは津田和泉代表理事、德丸英器業務執行理事、古場英樹いじめ相談担当、梶山太アドバイザーが出席する。

協定の目的は、相互連携と協働による子どものいじめに関する各種取組を通じ、すべての子どもが安心して健やかに成長し、笑顔で生きられる社会環境づくりを図ることにある。連携協力事項には、子どものいじめ撲滅に寄与する個別相談対応、子どもの復学に向けた伴走支援、いじめ抑止のための普及啓発活動、その他、子どもの健全発育に寄与する関連事業が掲げられている。

学校で起きるいじめは、被害児童生徒の尊厳、学習機会、安心して過ごす権利に直接関わる。とりわけ不登校や転校、進路変更につながった場合、問題は「学校生活上のトラブル」にとどまらない。相談を受ける窓口、事実確認を担う学校・教育委員会、家庭への支援、復学や別室登校などの調整が途切れると、被害を受けた子ども側が学校生活から離れざるを得ない構図になりやすい。

いじめ防止対策推進法は、学校と学校設置者に、いじめの防止、早期発見、対処のための体制整備を求めている。ただ、個別事案では、保護者と学校の認識に差が出ることや、被害を訴える子どもが再登校に不安を抱えることもある。伊万里市とON THE ROADsの協定で示された「復学に向けた伴走支援」は、単に登校再開を促すのではなく、子どもの安全感や本人の意思を確認しながら、学びの場への接続を支える取組として運用される必要がある。

自治体と民間団体の連携には、学校内だけでは拾いきれない声を外部の相談につなげる利点がある。一方で、相談情報の取扱い、学校・教育委員会との役割分担、加害側児童生徒への教育的対応、保護者間の調整を曖昧にしたままでは、支援の責任主体が見えにくくなる。協定締結後は、伊万里市教育委員会とON THE ROADsが、個別相談から復学支援、普及啓発までをどの手順でつなぐのかが実務上の確認点となる。

出典
人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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