1.東京都は11月10日から16日までのアルコール関連問題啓発週間に合わせ、特別相談会や普及啓発イベントを開催する。
2.11月16日には新宿駅西口広場で、俳優の東ちづる氏とプロデューサーの高橋弘樹氏らによるトークセッションを実施する。
3.東京都の調査では、アルコール依存症が疑われる人の91.8%が自宅で飲酒していると回答しており、身近な飲酒問題への理解を促す。

新宿駅西口広場で体験型イベントを開催
東京都は2026年11月10日から16日までの「アルコール関連問題啓発週間」に合わせ、アルコール健康障害や依存症に関する普及啓発イベントと特別相談会を開催する。11月16日には新宿駅西口広場イベントコーナーで、俳優の東ちづる氏、映像プロデューサーの高橋弘樹氏らによるトークセッションや体験型イベントを実施し、身近な飲酒習慣と健康への影響について考える機会を提供する。
イベントの開催時間は午前11時から午後5時30分までで、入場無料、申し込み不要となる。会場では、アルコールに対する体質を確認するパッチテストや、普段飲んでいる酒に含まれる純アルコール量を視覚的に理解する企画、パネル展示などを行う。
東ちづる氏と高橋弘樹氏が登壇
トークセッションに登壇する東ちづる氏は、俳優として活動する一方、一般社団法人Get in touchの代表を務めている。
同団体は2012年に設立され、芸術や音楽、映像などを通じて、多様な人々が共に暮らす社会を目指す活動を行っている。
東氏は2017年から2025年まで、厚生労働省の「アルコール健康障害対策関係者会議」の委員を務めた。家族がアルコール依存症に苦しんだ経験についても著書などで発信しており、依存症に関する啓発活動に携わってきた。
高橋弘樹氏は、テレビ東京で番組制作を経験し、現在は株式会社tonariの代表取締役社長を務める映像プロデューサーである。
2023年にはビジネス動画メディア「ReHacQ(リハック)」を開設し、社会課題などを取り上げる映像制作に取り組んでいる。
今回のトークセッションには、依存症の専門家や民間支援団体の関係者も参加する。飲酒問題への向き合い方や依存症の理解、相談につながることの大切さについて、それぞれの立場から話す予定だ。
アルコール依存症が疑われる人の91.8%が自宅で飲酒
東京都が実施した「令和7年度東京都における飲酒問題調査研究」では、アルコール依存症が疑われる人の91.8%が「自宅で飲酒」、55.1%が「一人で飲酒」と回答した。
ここで注意したいのは、数値の対象である。
91.8%という割合は、東京都民全体や飲酒習慣のある人全体に占める割合ではなく、調査でアルコール依存症が疑われると判定された人の回答を示している。
同様に、自宅で飲酒することや一人で飲酒することだけで、アルコール依存症と判断できるわけではない。
飲酒の問題を考える際には、飲む場所だけでなく、飲酒量や頻度、飲酒を自分で調整できるか、健康状態や仕事、家庭生活に影響が生じているかなど、複数の点を考慮する必要がある。
今回の調査結果は、アルコールに関する問題が特別な場所だけで起きるのではなく、日常生活の中でも生じ得ることを考える材料となる。
アルコール依存症は意志の弱さだけで説明できない
アルコール依存症は、飲酒を自分でコントロールすることが難しくなる病気である。
飲酒量を減らそうとしてもうまくいかない、飲酒を優先して生活上の問題が生じる、飲酒をやめると心身に不調が現れるなど、様々な症状がみられる場合がある。
依存症は、本人の意志の弱さや生活態度だけで説明できるものではない。治療や相談支援、自助グループなどを利用しながら、回復を目指すことができる。
アルコールの問題は本人の健康に影響するだけでなく、家族関係や就労、経済状況など、生活の様々な場面に関係することがある。
そのため、本人だけでなく家族なども相談できる仕組みが設けられている。
アルコール健康障害対策基本法とは
日本では2013年に「アルコール健康障害対策基本法」が制定され、2014年に施行された。
同法は、アルコール依存症だけでなく、多量飲酒や不適切な飲酒による健康障害について、国や地方公共団体などが対策を進めるための基本的な枠組みを定めている。
毎年11月10日から16日までを「アルコール関連問題啓発週間」としていることも、同法の特徴である。
東京都は、この法律に基づいて2026年度から2030年度までを対象とする第3期推進計画を策定した。
計画では、アルコール健康障害の発生予防、相談から治療、回復支援までの切れ目のない支援体制の整備、当事者と家族への支援などを進める方針を示している。
今回の普及啓発イベントと特別相談会は、飲酒の問題について理解を深める機会と、専門家へ相談する機会を組み合わせた取組である。
都内各地で無料の特別相談会
東京都は、アルコールに関する悩みを持つ本人や家族などを対象に、無料の特別相談会を開催する。
開催日程と時間は次のとおり。
| 日程 | 時間 | 会場 |
|---|---|---|
| 11月10日(火) | 10:00~18:00 | 浜松町・オンライン |
| 11月11日(水) | 13:00~21:00 | 虎ノ門 |
| 11月12日(木) | 10:00~17:00 | 八王子 |
| 11月14日(土) | 10:00~18:00 | 虎ノ門 |
| 11月15日(日) | 13:00~21:00 | 八王子 |
| 11月16日(月) | 11:00~17:30 | 新宿駅西口広場 |
相談会には、精神保健福祉センター、専門医療機関、民間支援団体などの相談員が参加する。
飲酒量の増加への不安、家族の飲酒問題、治療や回復支援などについて相談できる。
特別相談会は事前申し込み制で、オンライン相談を含む詳細は「とうきょう依存症ポータルサイト」で案内している。新宿駅西口で行われる一般向けイベントは申し込み不要だが、特別相談会は申し込み方法が異なるため注意が必要である。
相談先を知ることも予防につながる
アルコールに関する問題では、本人が相談をためらうこともあれば、家族がどう対応すればよいか分からない場合もある。
相談を利用することは、必ずしも直ちに治療を開始することを意味しない。自分や家族の状況を整理し、どのような支援が利用できるかを確認する機会にもなる。
東京都は11月16日の普及啓発イベントに加え、都内各地で専門家による相談の機会を設ける。飲酒習慣に不安がある人や、家族の飲酒問題について知りたい人が、アルコール健康障害への理解を深め、支援につながるための取組を進める。
東京都「アルコール関連問題啓発週間に係るイベント等の開催について」
URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/10/2026102708
東京都「アルコール関連問題啓発週間に係るイベント等の開催について」(公式ページの日本語版)
URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/ja/information/press/2026/10/2026102708
とうきょう依存症ポータルサイト
URL:https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/izonsho-portal/

