1.NTTデータグループは、DEIの国際評価「Global Equality Standard」で日本地域として最高位のLevel5認証を取得した。
2.評価は2025年12月から2026年3月に行われ、従業員やDEI責任者へのインタビューを含む審査を経ている。
3.国連「ビジネスと人権に関する指導原則」では企業の取組を方針表明だけでなく、実際の負の影響の把握・予防・救済まで求めており、第三者認証と人権尊重の実効性は分けて評価する必要がある。

NTTデータグループは2026年9月9日、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)について評価する「Global Equality Standard(GES)」の認証を6月に取得し、日本地域で最高位となるLevel5の評価を受けたと公表した。対象はNTTデータグループ、NTTデータ、NTT DATA, Inc.の国内地域。GESはEYによる評価制度で、これまで42の国・地域、450を超える企業が認証を受けているという。
従業員への聞き取りを含む第三者評価
評価期間は2025年12月から2026年3月で、質問票だけでなく従業員へのインタビュー、DEIリーダーへのインタビューなどが実施された。日本地域では「Flexible & agile working」「Caring Responsibilities」「Talent attraction」「Human rights & modern slavery」の4指標が特に高く評価された。NTTデータグループは2025年度からワーキングケアラー支援サービスを導入し、育児だけでなく介護と仕事の両立支援も進めている。
この種の第三者評価には、自社評価だけでは見えにくい制度上の弱点を外部基準で確認できる利点がある。特にDEIは採用人数や女性管理職比率だけでは測れず、働き方、介護・育児責任、採用、差別防止、人権など複数の領域を横断して評価する必要がある。
認証取得と人権リスクの解消は同じではない
もっとも、最高位認証を取得したことを「企業活動に人権上の問題が存在しない」と読むことはできない。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」は、企業に対し、人権方針を持つことに加えて、事業活動による人権への負の影響を特定し、予防・軽減し、対応の実効性を追跡し、被害が生じた場合には救済へつなぐ一連のプロセスを示している。
NTTデータグループ自身も今回、EYから得たフィードバックを使い、「多様な人財活躍」「柔軟な働き方」「Global Inclusion」を軸に改善を続けるとしている。したがって今後の評価では、Level5という認証名称だけでなく、採用・昇進格差、介護離職、障害のある社員への対応、海外を含む人権課題、相談・救済制度などの具体的な指標がどう変化したかを見る必要がある。第三者認証を改善サイクルの入口として機能させられるかが、NTTデータグループの次の検証対象となる。
NTTデータグループ「Global Equality Standardで最高位Level5評価」
URL: https://www.nttdata.com/global/ja/news/evaluation/2026/090900/
国連人権高等弁務官事務所「Guiding Principles on Business and Human Rights」
URL: https://www.ohchr.org/Documents/Publications/GuidingPrinciplesBusinessHR_EN.pdf
ビジネスと人権に関する指導原則
URL: https://jinken-news.com/glossary/business-human-rights-guiding-principles/
