1.プラン・インターナショナルが、シチズン時計など4社のジェンダー平等支援を紹介する企業向け資料を公開した。
2.女の子や若い女性への支援と、ブランド価値、従業員の参加意識、ESG施策との接続過程を整理している。
3.企業価値への効果だけでなく、職場、取引、地域活動を含む権利尊重の実行と成果検証が問われる。

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンは2026年7月28日、企業によるジェンダー平等支援の実践をまとめた資料「4社の成功事例に学ぶ 企業価値を高める『ジェンダー平等』推進に向けた支援」を公開した。シチズン時計株式会社、MIC株式会社、ALDO株式会社、株式会社プレステージ・インターナショナルの4社を取り上げ、女の子や若い女性への支援をブランド価値や従業員エンゲージメント、ESG・サステナビリティ施策に結び付けた過程を紹介する。資料は企業名、担当者名、メールアドレスを入力することで無料で入手できる。
資料の構成は、企業が支援テーマを選ぶ際の考え方、4社の個別事例、支援を企業価値へ反映するための要点、プラン・インターナショナルとの連携方法など計9項目。業種は時計、不動産関連、スポーツチーム運営などにまたがる。プラン・インターナショナルは、顧客から社会貢献への参加を評価する声が寄せられた事例や、従業員が自社の事業と女の子への支援との関係を認識し、仕事への誇りや意欲につながった事例を成果として挙げている。同団体は約90年にわたり子どもや若者の権利向上に携わり、日本では4,000を超える企業・団体との連携実績があるとしている。
今回の資料は、世界経済フォーラムの「Global Gender Gap Report 2025」で、日本が148カ国中118位だったことを国内の背景として示す。同指数は、経済参加と機会、教育、健康、政治参加の4分野で男女間の格差を測るもので、日本の総合スコアは66.6%。順位は2024年と同じだった。企業による支援は、政府の制度や雇用政策を代替するものではないが、雇用、商品・サービス、調達、広告、地域活動を通じ、女性や女の子の生活機会に直接関わる領域を持つ。
国連グローバル・コンパクトとUN Womenが策定した「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」は、企業の取組を職場、市場、地域社会の3領域で捉えている。経営層の関与、男女の公正な処遇、安全と健康、教育・研修、女性の力を生かす調達やマーケティング、地域活動、進捗の測定と公表が7原則に含まれる。外部団体への寄付やキャンペーンだけでは、社内の昇進、賃金、ハラスメント防止、取引先管理に残る格差を把握できない。ブランド価値への効果は結果の一部であり、誰の権利や選択肢がどのように改善したかを確認する必要がある。
4社の事例を自社で活用する際は、支援先や金額の模倣ではなく、事業との関係、対象となる人々、従業員の参加方法、達成状況を測る指標を定めることが実務上の分岐点となる。プラン・インターナショナルの資料は企業価値の向上を前面に置くが、シチズン時計、MIC、ALDO、プレステージ・インターナショナルの事例を、社内外のジェンダー格差を点検する入口として使えるかが、資料を導入する企業側の課題となる。
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン「人気企業の事例から学ぶ 企業価値を高めるジェンダー平等の取り組み」
URL:https://www.plan-international.jp/press/2026_0728/
参考資料 世界経済フォーラム「Global Gender Gap Report 2025」
URL:https://www.weforum.org/publications/global-gender-gap-report-2025/
参考資料 国連グローバル・コンパクト「Women’s Empowerment Principles」
URL:https://unglobalcompact.org/take-action/action/womens-principles

