大阪府とエーザイ、認知症・MCI協定 相談支援まで4分野

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この記事のポイント

1.大阪府とエーザイ株式会社は9月14日、認知症・MCIの知識普及、本人・家族支援、地域の相談支援体制など4分野を対象とする協定を締結する。
2.国の認知症施策推進基本計画は、認知症本人の声を施策や地域づくりの起点とする方針を明確にしている。
3.エーザイは三重県や愛媛県とも協定を結んでおり、大阪府では協定締結後の具体的事業、本人参画、中立的な情報提供が検証項目となる。

大阪府

大阪府とエーザイ株式会社は2026年9月14日、「認知症及びMCI(軽度認知障がい)の啓発等に係る連携・協力に関する協定」を締結する。協力事項は、認知症・MCIの正しい知識と予防、認知症本人と家族が安心して暮らすための支援、地域の相談・支援体制の充実、その他の認知症施策の4分野。締結式は大阪府庁本館で行われ、府と同社の関係者が出席する。単なる普及啓発にとどまらず、本人・家族支援と相談体制まで協定項目として明記した点が特徴となる。

2024年1月に施行された認知症基本法の下では、認知症施策の考え方自体が変化している。2024年12月3日に閣議決定された認知症施策推進基本計画に加え、厚生労働省は自治体向けに「認知症施策を本人参画でともに進めるための手引き」を公表している。認知症の本人を行政や医療が施策の対象として扱うだけではなく、「本人の声」を計画・事業運営の出発点とする制度設計である。大阪府と企業の協定も、啓発件数だけでなく本人が事業形成に関与できるかという尺度でみる必要がある。

エーザイと自治体による認知症分野の協定は大阪府が初めてではない。三重県は2017年、同社と「認知症とともに生きる地域づくりの実現に関する連携協定」を締結した。愛媛県も2025年9月16日、認知症・MCIの正しい知識の普及、認知症予防や健康づくりなどを対象とする協定を締結している。公表された協定事項を比べると、大阪府は「本人及びその家族への支援」と「地域における相談・支援体制の充実」を独立した項目として掲げている。

行政と製薬企業の連携には、専門知識、啓発資材、地域ネットワークを公的施策に活用できる面がある。同時に、認知症について住民へ情報を提供する事業では、特定の商品や治療法に情報が偏らないこと、本人が複数の選択肢を理解できること、公的な相談窓口と企業活動の境界が明確であることも確認事項になる。これは今回の企業に固有の問題ではなく、営利企業と行政が健康・福祉政策を共同実施するときに必要となるガバナンス上の整理である。

協定は締結した時点では成果ではなく、事業を実施するための枠組みである。大阪府の9月8日の公表は協力する4分野までを示しているが、具体的な事業内容や評価指標は締結後に確認する段階となる。認知症本人が企画にどう関与したか、相談支援へ何件つながったか、提供情報の中立性をどのように確保したかを大阪府が示せば、他県との比較も協定の本数ではなく実施内容で行える。9月14日の締結後に大阪府とエーザイが公表する具体策が、その検証の基礎資料となる。

出典

大阪府「エーザイ株式会社と『認知症及びMCI(軽度認知障がい)の啓発等に係る連携・協力に関する協定』を締結します」
URL: https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/fumin/o090090/prs_50949.html

厚生労働省「認知症施策」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html

三重県「エーザイ株式会社と『認知症とともに生きる地域づくりの実現に関する連携協定』を締結します」
URL: https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0015900015.htm

愛媛県「エーザイ株式会社との『認知症及びMCI(軽度認知障害)の啓発に関する連携協定』の締結について」
URL: https://www.pref.ehime.jp/page/123317.html

愛媛県「認知症及びMCI(軽度認知障害)に関する啓発等協力企業・団体を募集します」
URL: https://www.pref.ehime.jp/page/139896.html

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人権ニュース編集部

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