1.延岡市は10月7日、テレビ宮崎代表取締役社長の榎木田朱美氏を講師に、定員150人のエンパワーメント講座を開催する。
2.2026年版男女共同参画白書によると、2025年の管理的職業従事者に占める女性の割合は14.4%で、役職が高くなるほど女性比率が低下している。
3.女性活躍推進法や延岡市の男女共同参画プランは、女性本人の意識だけでなく、企業や行政の採用・育成・登用を施策対象としている。

延岡市は2026年10月7日午後1時30分から3時まで、カルチャープラザのべおかハーモニーホールで「エンパワーメント講座(第2回人権セミナー)」を開催する。講師はテレビ宮崎代表取締役社長の榎木田朱美氏で、演題は「しなやかに切り拓く~私のchange&challenge~」。市は榎木田氏について、アナウンサーから経営者となり「民放テレビ局初の女性社長」を務めていると紹介する。参加は無料で定員150人、託児も設け、参加者には「のべおかCOIN」100ポイントを付与する。
女性経営者の経験を共有することは、管理職や経営層で働く具体像を示す機会になる。ただし、女性管理職の少なさを個々の女性の挑戦心だけで説明することはできない。内閣府の2026年版男女共同参画白書によると、2025年の管理的職業従事者に占める女性の割合は14.4%。従業員100人以上の企業では、女性割合は係長級25.2%、課長級16.1%、部長級9.3%と、職位が上がるほど低くなる。諸外国で管理職の女性割合がおおむね30%以上となっている状況と比べても、日本の特徴は明確である。
こうした差に対して、女性活躍推進法は個人への啓発とは異なる方法を採る。企業や行政機関に女性活躍に関する状況把握、課題分析、行動計画、情報公表などを促し、採用、配置、継続就業、管理職登用といった職場側の仕組みを改善する制度である。2025年の法改正を受けて制度の拡充も進められている。女性が「もっと挑戦すべきだ」という個人論だけでは、役職が上がるほど女性比率が低下する構造を説明できず、組織側の人事制度と併せて考える必要がある。
延岡市自身も「第3次のべおか男女共同参画プラン」を策定し、家庭、地域、職場など幅広い分野で男女共同参画施策を進めている。自治体がエンパワーメント講座を実施する場合、参加女性の意識や能力を高める取組と同時に、行政や地域企業の政策・方針決定過程に女性が参画しやすい環境を整える取組を組み合わせることが制度上の課題となる。講演で示されるキャリア経験と、市の計画に定める雇用・参画施策を切り離さないことが重要となる。
今回の講座では託児を用意し、参加者に地域通貨のポイントを付与するなど、会場へ参加するための工夫も採られている。次の段階では、150人規模の講演を聞く機会から、地域企業の女性管理職育成、行政の審議会等への参画、仕事と家庭を両立できる職場環境などへどう接続するかが評価対象となる。榎木田氏の「change&challenge」を個人の成功例だけで終わらせず、延岡市が第3次のべおか男女共同参画プランの具体的な施策へどう結び付けるかが、10月7日の講座後に確認すべき点となる。
延岡市「エンパワーメント講座(第2回人権セミナー)を開催します」
URL: https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/soshiki/11/51760.html
内閣府男女共同参画局「令和8年版男女共同参画白書 第4節 経済分野」
URL: https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r08/zentai/html/honpen/b1_s01_04.html
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
延岡市「第3次のべおか男女共同参画プランを策定しました」
URL: https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/soshiki/11/15548.html
女性活躍推進法
URL: https://jinken-news.com/glossary/josei-katsuyaku-suishin-hou/
ガラスの天井
URL: https://jinken-news.com/glossary/glass-ceiling/
ポジティブ・アクション
URL: https://jinken-news.com/glossary/positive-action/

