クロスキャット、DE&I推進を全社員へ 16人で制度改善

この記事のポイント

1.クロスキャットは、社員公募による「DE&I推進プロジェクト」を16人の体制で開始した。
2.女性活躍を中心とした従来の取組を全社員へ広げ、キャリア形成、介護、不妊治療などとの両立支援を扱う。
3.対象拡大と同時に、女性管理職比率や男女間賃金差異など、性別に起因する格差を継続して検証できるかが課題となる。

クロスキャット

株式会社クロスキャット(東京都港区、山根光則代表取締役社長)は2026年7月22日、社員公募による「DE&I推進プロジェクト」を始めた。2026年度は公募で集まった社員10人とグループ各社の参加者を合わせた16人が、同年7月から2027年3月まで活動する。女性社員を中心に進めてきた従来の取組を全社員へ広げ、キャリア形成、職場環境、育児・介護・治療との両立などを扱う。グループ内外の交流や他社との情報交換も活動に含める。

前身の「女性活躍推進プロジェクト」は2023年7月、事業、営業、管理部門などから集まった女性社員9人で発足した。月2回の定例会で職場課題を検討し、経営層へ提言してきた。会社によると、3年間で5つの制度改定と13の施策につながった。具体例には、退勤から次の始業まで10時間以上を確保する勤務間インターバル制度、育児時短勤務などの対象を小学校3年生修了時まで広げる改定、キャリア相談窓口の設置がある。

2025年には、生理休暇を「ライフサポート休暇」に改め、PMS(月経前症候群)、つわり、妊産婦健診にも使えるようにした。取得単位も1日から時間単位へ変更した。妊娠中の通勤緩和やテレワーク、育児・介護との両立相談も制度に組み込んだ。今回のプロジェクトは、こうした当事者の声を制度変更へつなぐ手法を、介護や不妊治療を含む幅広い生活事情へ展開するものとなる。

DE&Iのうち「エクイティ」は、全員を一律に扱うことではなく、置かれた状況に応じて能力発揮を妨げる条件を調整する考え方を指す。介護を担う社員、通院が必要な社員、育児中の社員では、必要な勤務時間や休暇、相談支援が異なる。制度の対象を全社員に広げることは利用可能性を高める半面、女性が直面する昇進や賃金の格差を一般的な「働きやすさ」に埋没させない設計も必要になる。

クロスキャットの2026年3月期有価証券報告書では、女性管理職比率は17.5%で目標の15%を上回り、男性の育児休業取得率は90.0%だった。年次有給休暇取得率は69.7%で目標の70%に届かず、男女の賃金差異は83.3%と公表している。全社員を対象とする施策と、性別による格差を是正する施策は、目的が重なる部分はあっても同一ではない。

新プロジェクトは、制度改定や運用改善の提案、社内啓発、経営へのフィードバックまで担う。クロスキャットが2027年3月までに採用した提案と、女性管理職比率、休暇取得率、男女の賃金差異などの変化を併せて示せば、16人による社員公募型の取組が職場の公平性に及ぼした効果を検証できる。

出典

株式会社クロスキャット「クロスキャット、社員公募による『DE&I推進プロジェクト』を開始」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000222.000025288.html

株式会社クロスキャット「女性活躍推進プロジェクト活動を通じて、長時間労働抑制や育児支援施策を実施」
URL:https://www.xcat.co.jp/ja/news/news20240528001.html

株式会社クロスキャット「ライフサポート休暇や母性健康管理措置の拡充など、新たな人事制度を導入」
URL:https://www.xcat.co.jp/ja/news/news202505270001.html

株式会社クロスキャット「2026年3月期有価証券報告書」
URL:https://www.xcat.co.jp/ja/ir.html

人権ニュース編集部

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