三重県、特別支援学校職員を停職3か月 勤務外の不同意わいせつ事案

この記事のポイント

1.三重県教育委員会は9月2日、県立杉の子特別支援学校の77歳男性学校労務員を停職3か月とした。
2.男性は知人女性に対する不同意わいせつ事件で5月18日に逮捕され、6月5日に起訴された。
3.刑事責任と地方公務員法上の懲戒責任は別の制度であり、学校における児童生徒性暴力防止制度とも適用対象を分けて考える必要がある。

懲戒処分のイメージ図

三重県教育委員会は2026年9月2日、県立杉の子特別支援学校に勤務する77歳の男性学校労務員を停職3か月の懲戒処分とした。県によると、男性は5月9日夜、津市内で50歳代の知人女性の意思を十分に確認しないまま抱き寄せてキスをした。5月18日に津警察署が不同意わいせつの疑いで逮捕し、津地方検察庁が6月5日に起訴した。県教委は地方公務員法第29条第1項第1号、第3号を処分根拠としている。

地方公務員の懲戒処分は、刑事裁判とは目的が異なる。刑事裁判では犯罪の成立や刑罰を判断するのに対し、地方公務員法第29条は法令違反、職務上の義務違反、公務員としてふさわしくない非行などについて、戒告、減給、停職、免職を可能としている。このため、勤務時間外の行為であっても、公務への信頼を損なう行為として懲戒対象になることがある。反対に、起訴されたという事実だけを「有罪確定」と読み替えることもできない。

教育現場の性暴力対策としては、2022年4月施行の「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」がある。同法では、児童生徒に対して性暴力等を行った教員の免許状失効情報をデータベース化し、採用時の確認に利用する仕組みが整えられた。文部科学省によると、2026年4月1日時点で特定免許状失効者等の登録は2,918件、データベース利用者登録は1万420件に達している。

ただし今回の被害者は成人の知人女性で、処分された人物も学校労務員であるため、この法律の児童生徒性暴力事案として扱うことはできない。重要なのは異なる制度を混同せず、三重県教育委員会が地方公務員としての服務規律をどう判断したのかを見ることである。県教委はコンプライアンス会議などを通じた再発防止を示しており、今後は単なる「不祥事防止」の周知だけでなく、同意や性暴力について職種を問わず理解する研修につながるかも検証対象となる。

出典

三重県「教職員の懲戒処分について」
URL: https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0043900213.htm

e-Gov法令検索「地方公務員法」
URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261

文部科学省「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等について」
URL: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/mext_00001.html

人権ニュース編集部

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