徳島県、不登校支援冊子「まなびのカタログ」紹介

この記事のポイント

1.徳島県は、不登校のこどもと保護者向けの支援情報誌「まなびのカタログ」を紹介している。
2.冊子は「とくしま多様な学びプラットフォーム」が発行し、教育支援センター、フリースクール、相談支援機関、親の会などを掲載する。
3.不登校を「学校に戻す」問題だけで扱わず、こどもの休養、学びの継続、保護者への情報提供をどう保障するかが論点となる。

徳島県は5月27日、不登校のこどもの保護者目線で「居場所」や支援情報を紹介する冊子「まなびのカタログ」について、県ホームページで周知した。冊子は、不登校のこどもの保護者が中心となって設立した団体「とくしま多様な学びプラットフォーム」が発行したもの。ふるさと納税型クラウドファンディングを活用し、支援関係者、行政、教育委員会と連携して作成した。

「まなびのカタログ」には、教育支援センター、フリースクール、相談支援機関、親の会の紹介に加え、フリースクール運営者など支援者からのメッセージ、不登校のこどもや保護者の体験談が掲載されている。県内小中学校や支援関係機関に送付されるほか、徳島市寺島本町西1丁目5番地のアミコビル東館9階にある「とくぎんトモニプラザ」に常設し、配布している。

発行記念イベントは、令和7年3月20日に徳島県板野郡上板町の「技の館」で開かれた。プログラムには、NPO法人自然スクールトエックの伊勢達郎代表によるミニ講演・ワークショップ、四国まなび未来ネットワーク研究所の赤松梨江子代表をファシリテーターとするパネルトーク「誰ひとり取り残さないってどういうことだろう?」、フリースクールなどのブース出展が盛り込まれた。県の今回の掲載は、イベント告知ではなく、冊子そのものの周知と配布案内に重点がある。

不登校支援をめぐっては、文部科学省の令和6年度調査で、小・中学校の不登校児童生徒数が353,970人となり、前年度の346,482人を上回った。小学校は137,704人、中学校は216,266人で、過去最多となった一方、増加率は前年度より低下している。文部科学省は、児童生徒の休養の必要性を明示した教育機会確保法の趣旨の浸透や、保護者・児童生徒の登校に対する意識の変化などを背景の一つとして挙げている。

人権上の論点は、不登校のこどもを「学校に行けない子」として一括りにせず、休養、相談、学習、社会との接点を本人の状態に応じて組み立てられるかにある。教育機会確保法は、学校以外の場における多様で適切な学習活動の重要性を踏まえ、不登校児童生徒と保護者への情報提供、助言その他の支援を求めている。徳島県が紹介する「まなびのカタログ」は、制度名や相談窓口を並べるだけでなく、保護者の視点から支援先を探せる冊子として作成された点に特徴がある。

保護者にとって、相談先が分からない時間は孤立を深める要因になりやすい。県内小中学校、支援関係機関、とくぎんトモニプラザで冊子を手に取れるようにしたことは、学校、行政、民間支援団体をつなぐ入口を増やす取組である。徳島県と「とくしま多様な学びプラットフォーム」が連携して周知する「まなびのカタログ」は、不登校のこどもの学びを学校内外の複数の場で支えるための地域情報基盤となる。

徳島県のまなびのカタログ
出典

徳島県「不登校のこどもの保護者目線で『居場所』や支援情報等を紹介する冊子、『まなびのカタログ』について」
URL: https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kenko/kosodateshien/7313605

参考:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
URL: https://www.mext.go.jp/content/20260305-mxt_jidou02-100002753_3.pdf

参考:e-Gov法令検索「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」
URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/428AC1000000105

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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