高槻市5公民館でDV巡回展 啓発の先にある相談・保護命令を整理

この記事のポイント

1.高槻市が9~12月、市内5公民館でDVを扱う巡回パネル展を実施する
2.現行のDV防止法では身体的暴力だけでなく、一定の脅迫による重大な被害も保護命令制度の対象となる
3.高槻市の相談窓口と、裁判所への保護命令申立ては別の手続であり、支援機関の役割を知ることが被害者の制度利用に関わる

高槻市のロゴ

高槻市は9月4日から12月14日にかけ、市内5つの公民館を巡回する人権パネル展「DV(ドメスティック・バイオレンス)-ひとりで悩まないで-」を実施する。磐手公民館を9月4~14日、城内公民館を9月18~28日、真上公民館を10月2~12日、日吉台公民館を10月16~26日、五領公民館を12月4~14日とし、一つの会場に来てもらうのではなく地域ごとに展示を移していく。

DVは殴る、蹴るといった身体的暴力だけで判断されるものではない。現行の配偶者暴力防止法では、生命や身体への脅迫に加え、自由、名誉、財産に対する一定の脅迫によって重大な被害を受けた場合にも保護命令を申し立てられる仕組みとなっている。裁判所が出す保護命令には接近禁止のほか、電話や電子メール、SNSを用いた一定の行為を禁止する命令などがあり、GPSを使った位置情報取得に関する規定も設けられている。

パネル展を実際の支援につなげて考える場合、相談機関の役割を区別しておく必要がある。高槻市は市民向けのDV相談を平日午前8時45分から午後5時15分まで受け付けている。緊急時には警察への通報、時間外には大阪府の相談機関などが案内されているが、高槻市の相談窓口が裁判所への保護命令申立て手続そのものを支援するわけではない。市も、保護命令については大阪府女性相談センターなどへの相談を案内している。

この違いは当事者にとって実務的な意味を持つ。「自分が受けている行為はDVなのか」「今日帰る場所がない」「相手を近づけない法的手段を取りたい」では必要となる機関が異なるためだ。啓発展示は被害に気付く入口にはなるが、安全確保、相談、避難、警察対応、裁判所の保護命令を代替するものではない。展示内容と相談先が接続していなければ、「DVだと分かった後」に制度を利用する際の障壁が残る。

高槻市が今回、磐手、城内、真上、日吉台、五領の5公民館で巡回展示を行う利点は、身近な生活圏でDVに関する情報に接する機会を増やせることにある。12月14日の五領公民館まで続く展示を、相談窓口や大阪府などの専門機関への入口と併せて伝えることで、「ひとりで悩まないで」という展示テーマを具体的な制度利用まで読み解くことができる。

出典

高槻市「DV(ドメスティック・バイオレンス)巡回パネル展示」
URL:https://www.city.takatsuki.osaka.jp/site/kominkan/179333.html

高槻市「DV相談」
URL:https://www.city.takatsuki.osaka.jp/soshiki/18/5958.html

内閣府男女共同参画局「配偶者からの暴力の防止」
URL:https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/law/12.html

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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