1.パーソルホールディングスが、東京都の「東京女性リーダーズ応援ネットワーク」に参画した。
2.グループの女性管理職比率は2025年度に29.4%となり、2033年度までに37%へ引き上げる目標を掲げる。
3.女性の登用人数だけでなく、候補者の育成、昇進機会、男女間賃金差異を継続して開示できるかが実効性を測る指標となる。

パーソルホールディングス株式会社(東京都港区、和田孝雄代表取締役社長CEO)は2026年7月23日、東京都が進める「東京女性リーダーズ応援ネットワーク」への参画を公表した。同ネットワークは、女性活躍とダイバーシティ経営に賛同する企業・団体が共同宣言を行い、経営者の意識と職場文化の変革を進める枠組み。和田社長は参画に当たり、女性を含む多様な人材が能力を発揮できる環境整備を進める方針を示した。
東京都は「東京女性未来フォーラム」で企業経営者との共同宣言を行い、その内容を実行する企業ネットワークとして同事業を展開している。参画企業には、女性リーダー育成プログラムや企業交流会、先行事例の共有などの機会が用意される。女性社員個人の意欲や能力だけに登用の成否を委ねず、経営層の判断、配置、評価、育成方法を含む組織側の仕組みを変えることが事業の中心となる。
パーソルグループの女性管理職比率は、2025年度に29.4%となり、前年度より1.8ポイント上昇した。同社は2033年度までに37%へ引き上げる目標を設定している。2021年9月には経営直轄のジェンダーダイバーシティ委員会を設け、女性管理職候補者の男女比、内部登用率、外部採用率などを継続して確認してきた。2025年4月には喜多恭子氏がCGDO(最高ジェンダーダイバーシティ責任者)に就き、グループ横断の推進体制を強化した。
研修面では、2025年度に国内グループ社員約4万2,000人が、アンコンシャス・バイアスなどを扱うDEIのオンライン研修を受講した。管理職向けの研修には延べ450人が参加している。男性の1カ月以上の育児休業取得率は68.6%で、前年度より20.3ポイント上昇した。育児や家事の負担が女性に偏る職場では、勤務時間や転勤、管理職経験に必要な職務への配置に差が生じやすい。男性の長期育休を女性管理職の育成と並行して扱う構成は、登用前のキャリア格差を縮める施策といえる。
政府の第6次男女共同参画基本計画は、民間企業の管理職に占める女性の割合について、2024年時点で係長相当職24.4%、課長相当職15.9%、部長相当職9.8%と整理している。2030年の目標は、それぞれ33%、24%、15%である。ただし、パーソルの「女性管理職比率」と政府統計の「課長相当職」などでは集計対象や管理職の定義が異なる可能性があり、29.4%を全国平均と単純に比較することはできない。上位職になるほど女性比率が低下する構造を踏まえ、役職別の人数や昇進経路を分けて確認する必要がある。
2026年4月1日に施行された改正女性活躍推進法は、常時雇用する労働者が101人以上の事業主に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表を義務付けた。管理職比率は結果を示す数字だが、それだけでは採用、配置、評価、昇進の各段階にある格差を把握できない。パーソルが東京女性リーダーズ応援ネットワークへの参画を実質的な職場改革につなげるには、ジェンダーダイバーシティ委員会が確認している候補者層の男女比や内部登用率を、37%という最終目標と対応させて開示することが検証の基礎となる。
パーソルホールディングス株式会社「パーソル、東京都が推進する『東京女性リーダーズ応援ネットワーク』に参画」
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001120.000016451.html
東京都「東京女性リーダーズ応援ネットワーク」
URL:https://hataraku-josei.metro.tokyo.lg.jp/
パーソルホールディングス株式会社「女性管理職比率29.4%、1カ月以上の男性育休取得率68.6%」
URL:https://www.persol-group.co.jp/news/20260602_01/
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
