1.埼玉県教育委員会が、在籍生徒への不適切な性的行為や盗撮を理由に県立高校教諭2人を懲戒免職
2.生徒への不適切なSNS連絡を把握しながら、必要な確認をしなかった当時の校長も戒告処分
3.教職員個人の処分に加え、管理職が兆候を把握した後の事実確認と被害防止の仕組みが問われる

埼玉県教育委員会は2026年6月16日、県立高校に勤務する男性教諭2人を同日付で懲戒免職とした。東部地区の県立高校に勤務する31歳の教諭は、2025年7月中旬ごろから2026年1月5日までの間、校内で在籍する女子生徒に対し、複数回にわたって不適切な性的行為をした。県教委の公表資料では、学校名や生徒の年齢、事案を把握した経緯は明らかにしていない。
南部地区の県立高校に勤務する32歳の教諭は、2024年4月23日から2025年12月5日までの間、SNSを使って在籍する男子生徒に不適切なメッセージを送った。2024年7月23日から2025年6月22日までには、同校の合宿所にある脱衣所で、スマートフォンを使って複数の男子生徒を繰り返し盗撮した。SNS上のやり取りと撮影行為が、いずれも長期間に及んでいた。
県教委は、2025年度に南部地区の同校で校長を務めた54歳の男性職員も戒告処分とした。校長は、教諭が生徒に送った不適切なメッセージについて報告を受けていたが、内容を確認するなどの対応を取らなかった。教職員と生徒との私的な連絡について情報が寄せられた段階で、管理職が事実関係を確認し、必要に応じて教育委員会へ報告していれば、その後の被害を防げた可能性がある。今回の処分は、行為をした教諭だけでなく、報告後の初動を怠った管理職の責任にも及んだ。
教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律は2022年4月に施行され、教育職員による児童生徒への性的な加害行為を禁止している。同法は、児童生徒の尊厳と権利利益を守るため、学校や教育委員会に防止、早期発見、調査、通報、被害を受けた児童生徒への支援を求める。教員は、成績評価、進路指導、部活動などを通じて生徒に強い影響を及ぼす立場にあり、教員と生徒との関係を対等な成人間の関係と同じように扱うことはできない。
盗撮も、身体のプライバシーと性的尊厳を侵害する行為であり、撮影されたデータが保存、複製、拡散されるのではないかという不安を被害者に残す。学校側には、被害を受けた生徒の情報を必要以上に共有せず、学習や進路への影響を抑えながら、心理的な支援や相談につなぐ対応が必要となる。
埼玉県教育委員会が検証すべき点は、2人の教諭に対する処分だけではない。南部地区の県立高校では、不適切なメッセージについて校長まで報告が届いていたにもかかわらず、確認が行われなかった。県教委には、報告が事実確認や被害防止につながらなかった原因を明らかにし、各校の管理職が同様の情報を受けた際の確認、記録、報告、被害生徒の保護手順へ反映する対応が残されている。
埼玉県「教職員の懲戒処分について」
URL:https://www.pref.saitama.lg.jp/f2207/news/page/news2026061602.html
出典 文部科学省「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等について」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/mext_00001.html

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