三重県、外国人従業員向け日本語教育モデル 参加企業募集

この記事のポイント

1 三重県が、外国人従業員向けの日本語教育を実施する県内企業を6月25日まで募集する。
2 eラーニングと週1回のオンライン授業を組み合わせ、約8カ月間でA1からA2レベルへの向上を図る。
3 企業側にも学習管理担当者を置き、外国人従業員だけに日本語習得の負担を負わせない仕組みとする。

三重県のイメージ図

三重県は、外国人従業員に日本語教育を行う県内企業を対象に、「eラーニングを活用した日本語教育モデル事業」の参加企業を募集している。申込期限は2026年6月25日。外国人労働者が安心して働ける職場環境を整えるため、学習教材を提供するだけでなく、企業に学習管理の方法を伝え、県内企業で活用できる日本語教育プログラムの構築につなげる。事業は内定ブリッジ株式会社が受託する。

学習期間は7月15日から2027年3月10日まで。1本約10分のeラーニング動画を平日に2~3本視聴し、自習と週1回60分のライブ型オンライン授業を組み合わせる。到達目標は「日本語教育の参照枠」のA2、県の案内では日本語能力試験(JLPT)N4相当としている。A1からA2は「基礎段階の言語使用者」に当たり、身近な事柄について基本的な情報交換ができる段階を指す。

対象となるのは、三重県内の企業に勤め、日本で就労を開始してから2年以内で、現在の日本語能力がA1、JLPT N5程度の外国人従業員。在留資格は、現在の勤務先で特定技能への移行を希望する技能実習生、特定技能2号への移行を希望する特定技能外国人、技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ人のいずれかとする。短期間の就労ではなく、現在の企業で継続して働く意思を持つ従業員が主な対象となる。

参加企業には、三重県内に主たる事業所か事務所があることに加え、総務・人事担当者や現場リーダーなど、日本語教育を管理して学習を支える担当者を1人以上置くことを条件とする。模擬試験2回の受験支援、3回程度のヒアリング、アンケートにも協力する。応募多数の場合は、業種のバランスなどを踏まえて参加企業を選ぶ。単に教材を従業員へ渡すのではなく、進捗確認や声掛けを職場側の役割として組み込んだ点が、このモデル事業の特徴である。

日本語教育推進法は、外国人を雇用する事業主に対し、国や地方公共団体の施策への協力と、従業員や家族に日本語学習の機会を提供するなどの支援に努めるよう定めている。職場で使う日本語は、業務指示の理解だけでなく、危険の伝達、体調不良の申告、休暇や労働条件の相談にも関係する。日本語能力の不足を本人だけの問題として扱えば、職場内で情報にアクセスし、意見を伝える機会に差が生じる。企業側が分かりやすい説明や学習時間の確保を含めて対応することが、就労上の参加機会を支える。

三重県は参加企業へのヒアリングを基に新たな教材を開発し、県内企業が利用できる教育プログラムとしてまとめる方針を示している。今回の事業が一部の受講者の能力向上だけで終わるか、業種や勤務形態に応じた継続可能な仕組みになるかは、2027年3月までに三重県、内定ブリッジ株式会社、参加企業が蓄積する学習管理の記録と現場の意見に左右される。

出典

三重県「外国人従業員への日本語教育支援を希望する企業を募集します」
URL:https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0360600112.htm

文部科学省「日本語教育の推進に関する法律の施行について」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/nihongo_kyoiku/kyoiku/suishin_houritsu/1418260.html

e-Gov法令検索「日本語教育の推進に関する法律」
URL:https://laws.e-gov.go.jp/law/501AC1000000048

文化庁「『日本語教育の参照枠』の活用のための手引」
URL:https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/93696301_01.pdf

人権ニュース編集部

人権ニュース編集部は、官公庁、自治体、企業、公益団体、国際機関等が公表する一次情報をもとに、差別、労働、教育、福祉、司法・制度、外国人共生、ビジネスと人権などに関するニュースと解説を発信しています。掲載内容は、出典確認を行ったうえで、制度的背景や人権上の論点を補足して構成しています。

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