1 都と東京しごと財団は、2026年6月25日からカスタマーハラスメント防止対策推進事業の企業向け奨励金の第1回事前エントリーを受け付ける。
2 対象は都内中小企業等で、常時雇用する従業員300人以下。募集規模は2,500件、支給額は40万円。
3 奨励金は、マニュアル作成に加え、録音・録画環境の整備、AIシステム導入、外部人材活用のいずれかを行う企業等を対象とする。

東京都産業労働局と公益財団法人東京しごと財団は2026年6月11日、都内企業のカスタマーハラスメント防止対策を支援する企業向け奨励金の募集開始を案内した。第1回事前エントリー期間は6月25日から7月9日まで。対象は都内中小企業等で、常時雇用する従業員300人以下の企業等とされ、募集規模は2,500件となる。
奨励金は、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例が施行された令和7年4月1日以降、実践的な防止対策を行った企業等に40万円を支給するもの。奨励対象の取組は、カスタマーハラスメント対策マニュアルの作成に加え、録音・録画環境の整備、AIを活用したシステム等の導入、外部人材の活用のいずれか一つを実施する構成となっている。
第1回募集では、奨励金特設ウェブサイトの事前エントリーフォームから申し込む。受付期間中であればいつでもエントリーでき、先着順ではない。受付期間終了後、募集規模を超えるエントリーがあった場合は抽選を行い、通過した申請者に支給申請方法等を別途案内する。本年度の募集は、今回を含めて2回実施される。
東京都カスタマー・ハラスメント防止条例は、顧客等、就業者、事業者、都の責務を明らかにし、顧客等と働く人が対等な立場で相互に尊重し合うことを理念としている。条例第14条は、事業者に対し、必要な体制の整備、被害を受けた就業者への配慮、防止のための手引の作成などの措置を講ずるよう努めなければならないと定める。今回の奨励金は、この努力義務を現場の設備、体制、文書化につなげる支援策である。
人権上の論点は、就業者の安全と尊厳を守ることと、消費者・利用者の正当な申出を萎縮させないことを、同時に設計する点にある。カスハラ対策は、単に「迷惑客対策」として扱うと、苦情対応の封じ込めや顧客排除に傾きかねない。録音・録画、AIシステム、外部人材の活用は、就業者を守る手段であるとともに、対応基準を明確にし、現場担当者だけに判断を背負わせない仕組みとして運用される必要がある。
東京都は、奨励金のほか、業界団体や会員企業等を対象としたセミナーも実施する。令和8年度は、対面、訪問、電話、インターネットといった場面ごとの課題に応じたセミナーを年4回行う予定。総合相談窓口では、労務管理、メンタルケア、消費者保護等の経験がある専門相談員が、電話0120-182-276またはウェブ相談フォームで平日9時から17時まで相談を受け付ける。
東京都「令和8年度 都内企業のカスハラ防止対策を支援します 企業向け奨励金 募集開始のご案内」
URL:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/06/2026061103
参考 東京都「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」
URL:https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00005328.html

